大垣山岳協会

<徳山の森の行方> ② 売りたくない

TOPICS・随想・コラム

月報「わっぱ」 2012年2月(No.363)

<徳山の森の行方> ② 売りたくない

 山林公有地化事業の用地買収の難航は当然ながら売りたくない人がいるからだ。買収対象17700㌶のうち、約7割は旧村の7つの集落の共有林だった。例えば、門入地区では明治末期から36戸が共有権を継承してきた。1戸の持ち分権利は約100㌶(1000000平方㍍)にもなった。県の買収価格は全村一律1平方㍍95円。これに立木価格を加え約100円だ。2戸分を持つAさんは買収に応じていない。「山の権利は先祖累代の位牌だと思う。私の代に全てを手放すわけにはいかない」という。事業目的は理解できるので、当初、一部を残してあとは売るつもりだった。だが、県は全部一括でないと買わない方針だというので売却を断念したという。

 現在、持ち分の一部を10人ほどに贈与して登記し、持ち分維持の態勢を固めている。一方、1戸分を持つBさんは、森林管理の専門家でもあり、門入の林野で樹林育成の試みをするためにも、持ち分を売却するつもりはないという。彼らを含め、門入では5、6戸が買収に応じていない。

(MS)

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