月報「わっぱ」 2012年5月(No.366)
<徳山の森の行方> ⑤ どうなる作業道
人工林の天然林への転換事業には不可欠の車の通行できる作業道の建設が進んでいない。車道が水没し陸の孤島となった集落、門入地区は4000㌶という広大な民有林を持つ。そのうち3800㌶が共有林だった。前にも触れたが、なお5,6人が持ち分売却を拒否している。そのため、南側の旧坂内村境にあるホハレ峠から作業道を通す計画が頓挫している。
ダム完成前に門入地区の要望を受けて揖斐川町が作る方針を内々に示していた。だが、道の用地が共有林内を通るので、すべての持ち分地権者の同意が必要だ。買収拒否者もいるのだから、全員の同意を得るのは難しい。この作業道がないと、転換事業は困難だ。
一方、旧櫨原地区の扇谷沿いの作業道は約2㌔余の路盤ができた。工事は毎年少しずつ延びていて、来年度には谷上流部まで続く昔の村道に連結できる見通しだ。また、旧塚地区の国道トンネル沿いに工事中の作業道は約2キロまで延びている。いずれも、共有林内を通るが、地権者(持ち分保有者)の同意取り付けが進み、その分だけ工事も進んだ。一部で作業道は進んだが、可能になる天然林化の作業範囲は全体としてはわずかなものだ。
(M・S)
<徳山の森の行方> ⑤ どうなる作業道
ご覧のページです。
コメント