大垣山岳協会

<徳山の森の行方> ① 行き詰まり

TOPICS・随想・コラム

月報「わっぱ」 2012年1月(No.362)

<徳山の森の行方> ① 行き詰まり

 徳山ダムの事業の一つであるダム上流域の公有地化事業は17700㌶の民有林全てを岐阜県が買い取り、豊かな天然の広葉樹林(天然林)に育てようとする壮大な計画だ。県はダムを造った水資源機構から受け取った資金210億円を使い、2005年度から山林買収を始めた。しかし、思うようには進まず、現在の買収面積は対象地の76.2%。この2年間は買収実績はゼロに近い。このため、買収した公有林を天然林に育てる育林施業はスタートできていない。多くの私有山林が残る現状では法的にも実質作業に進めないからだ。事業は立ち往生といった状況だ。

旧徳山村の山林はブナ、ミズナラ、トチなどの原生林に包まれていた。その大半が昭和40年代以降、大手企業により皆伐された。私たち登山者はこの山域で、貧弱な二次林の中を歩くことが多い。だから、公有地化事業により、昔の天然林の輝きが復活するなら、うれしい限りだ。その夢が遠くに去りそうな気配を感じる。事業の現状と行方を考えてみたい。

(MS)

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