月報「わっぱ」 2012年3月(No.364)
<徳山の森の行方> ③ 売れない人
徳山ダム上流域公有地化事業の対象の山林であるが、売りたくとも売却できない人も多い。共有林持ち分の相続手続きを怠り、いまだに亡き祖父や父の名義のままというケースだ。中には法定相続人が子、孫の代合計5,60人にもふくれあがり、必須要件である全員の同意を得ることができない、という人もある。
一方、買収の基礎となる土地登記簿が明治時代の不完全なものであることが原因となっているケースも深刻だ。水資源機構はダム湖の管理用地を買収し、費用はすべて支払い済み。だが、大半の土地で未だに買収地の分筆登記ができていない。従って、ダム湖と接する林野は登記簿上では旧来の状態のままだ。分筆出来ない土地を岐阜県が買うことはできない。この事態は法務省が登記規則改正(05年)により、実測重視など分筆手続きを厳格にしたことも背景にある。かくして、本郷(徳山)地区の共有林2200㌶の半分近く、櫨原、塚地区でも多くが、買収停止の状態だ。
(M・S)
<徳山の森の行方> ③ 売れない人
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