月報「わっぱ」 2020年9月(No.466)
一等三角点あれこれ(その2) 清水 克宏
○「一等三角点百名山」について
「一等三角点百名山」は、1988年京都に本部のある全国組織「一等三角点研究会」によって選定され、山と渓谷社から同名の本が刊行されている。(2012年に改訂版刊行)
その選定基準は、一等三角点の設置された山のうち、風格のある山容、優れた眺望、高い知名度、さらに概ね標高1000m以上で登りがいのある山となっている。日本百名山が42山、二百名山が25山、三百名山が11山、それ以外が22山という内訳になっている。
そのうち岐阜県では白山、乗鞍岳、御前岳、能郷白山、恵那山の5山が選定されている。さらに、三角点の位置は県外になるが、御嶽山と伊吹山も選定されているので、岐阜県は一等三角点の数の割に名山が多いといえる。
ちなみに、長野県が最多の18山選ばれており、続いて北海道の10山。6山が福島県・山梨県・宮崎県、5山は本県のほか岩手県・群馬県・静岡県・奈良県となっている。
意外なのは、日本300名山どころか「ぎふ百山」にも「続ぎふ百山」にも選ばれていない御前岳(1816m)が入っていることだろう。飛騨高地の猿ヶ馬場山の南に位置する古い白山信仰の山で、かつて登山路のあった森茂集落が廃村になって久しいため、登頂が残雪期に限られる難峰である。私は白川村の白弓スキー場から11時間かけて往復したが、庄川をはさんで真正面に向かい合う白山の展望に、さすが一等三角点百名山の山だなぁ、と納得だった。
一等三角点あれこれ(その2)
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