月報「わっぱ」 2012年4月(No.365)
<徳山の森の行方> ④ 天然林化事業
徳山ダム上流域の公有地化事業は、全ての私有林を県有林にすれば私有林の維持管理のための既存の村道、林道は不要となり、付け替え道路を造る必要がなくなる。用地買収費を出しても、ダム費用の節減になるという発想から生まれた。同時に、上流域の林野の自然保全を進め、ダムへの水源の維持安定化をはかることもうたい文句だ。
具体的には地元の揖斐川町が水資源機構のダム事業費のうちの約40億円の資金を受けて、買収済み県有林の天然林化をはかる。
対象林野17700㌶内にある人工林(スギ、ヒノキ)約600㌶を3回に分けて50年間で全て伐採して、広葉樹林(天然林)に転換する計画だ。公有地化事業が始まって7年が経過した。だが、転換事業は実施段階に入れないでいる。
基本計画では人工林の伐採を3回に分け、第1回の伐採は08年度から10年をかけて進めることにしていたが、まだ伐採林の選択やスケジュールは何一つ決まっていない。その理由は多くの未買収地の存在以外に、転換のための施業に不可欠な作業道の建設が思うように進んでいないこともある。
(M・S)
<徳山の森の行方> ④ 天然林化事業
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