月報「わっぱ」 2018年3月(No.436)
三角点四方山話(1)
はじめに
大垣山岳協会の60周年記念事業として、美濃地方の三角点踏査が本年度より本格的にスタートしました。その時期にあわせて、上記両名より三角点に関するコラムが届けられました。いずれも興味ある内容が多く、それらを知ることによって三角点踏査がさらに面白くなるのではないかと思われます。それで、今月より数回のシリーズで表記のコラムをお届けします。
〇三角点の意味
近代国家にとって、国土の正確な地図を作ることは必須の条件です。明治政府も明治15年よりこの大事業に取り組みました。地図を作るための測量の基準点となるのが三角点です。仮にA、B、Cの三角点があるとします。なお、測量の正確さやその後の展開のために、3点はできるだけ正三角形に近く配置します。A、B点の位置(緯度、経度)及びAB間の距離が分っているとします。そのA点からBC間の角度、B点からAC間の角度を測ればC点の位置およびAC間、BC間の距離が決まります。これが三角測量です。なお標高については別な測量が必要なので、今回は考えないことにします。
〇一等三角点
三角点の網を全国に張り巡らせ、三角測量により各点の位置を特定し、それをもとに地形図を作っていくのです。まず、一番大きな三角網として、平均45㎞間隔で一等三角点本点を設置しました。その間に一等三角点補点を設置し、平均25㎞間隔の一等三角点網を完成させました。一等三角点の数は調査資料により異なりますが、本点補点合わせて全国で970点~974点あるということです。ちなみに、岐阜県内では県境付近の伊吹山や御嶽山などを含め21点あります。
〇二等、三等三角点
その中をより詳しく測量するために、約8㎞間隔で二等三角点、約4㎞間隔で三等三角点、約2㎞間隔で四等三角点を設置したのです。なお、四等三角点はより詳しい地図の必要な平野部や主要道路沿い、一部山間部等地域的に偏っているため、三角点踏査の対象外としました。
☆☆地形図の入手方法
三角点がどこにあるかを知るためには、地形図が必要となります。国土地理院が提供するweb地図でも見ることができますが、できれば2万5千分の1地形図の購入をお薦めします。カルコス本店、同瑞穂店で購入できます。お店にない地図は取り寄せることができます。揖斐郡内であれば弘文堂(揖斐川町)にもあります。
地形図には三角点の位置は載っていますが、点名、標高などの詳しい情報はわかりませんので、地理院が提供する「基準点成果等閲覧サービス」により調べてください。貴方の住む地域の周りにも三角点がありますので。是非調べてみてください(編集者)。
(清水克宏、藤井利定( 堀 義博 編集 ))
三角点四方山話(1)
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