大垣山岳協会

伊吹山 2020.04.11

伊吹山

月報「わっぱ」 2020年6月(No.463)

【 個人山行 】 伊吹山 ( 1377.3m Ⅰ△ )(上平寺越~東尾根~弥高尾根 周回) 丹生 統司

  • 日程:2020年4月11日(土)
  • 参加者:丹生統(単独)
  • 行程:上平寺駐車地7:10-上平寺越取付き8:05-東尾根ブナ林10:30-伊吹山11:25-駐車地13:55
  • 地理院地図 2.5万図:関ヶ原

 前日、岐阜県知事が非常事態を宣言した。不要不急の外出を自粛せよとのことだが、山登りとキャバクラ通いを同列に扱われることには抵抗がある。毎日家に引きこもっていると普通の老人になってしまう。人に会わなければいいだろうと、山頂をノンストップで通過することにして伊吹山に登ってきた。

 40数年ぶりに訪れた川戸谷林道はズタズタに寸断され、荒れるに任せていた。嘗ての上平寺越えの道は完全になくなっていた。地図に破線のある尾根に取り付くが藪が濃い。岩交じりの急登でブッシュをホールドにして登る。 藪が絶え桧の植林帯となっても急傾斜は続き、三点支持を強いられることもあった。車のエンジン音が聞こえるようになるとドライブウェイの 6 合目駐車場が近い。そういえば今日は開通日と聞いていた。

 植林帯が疎林になった辺りから東にトラバースしていくと、ドライブウェイから微かに残った登山道に出会った。東尾根にそって高度を稼ぐ毎に石組の明瞭な嘗ての道が現れた。ドライブウェイが真下に見えて、素晴らしい展望が東に広がった。

 お目当てのブナ林は標高1150m付近にあり伊吹の癒しの森だ。40数年ぶりの再会に幹を平手でたたいたが、その幹にはクマの爪痕がクッキリと残されていた。樹木の無い裸山に近い伊吹山に、このような自然林があることを知る人は少ない。

 その先獣害で昔あった藪がなくなり、労せずして山頂台地東端に着く。獣害除けのネットは外されており難なくドライブウェイからの観光登山道に出た。無雪期の伊吹は久しぶりだが、すっかり様相が変わっていた。展望場所には沢山のベンチが設けられており、ほぼ満席だった。

 三角点の写真を撮っただけで頂上では立ち止まらず、そのまま弥高尾根へ向かい下降。天気が良くて尾根から鈴鹿の山並みや長浜市内と琵琶湖がよく見えた。弥高尾根も踏み跡が明瞭になって歩きやすくなった。赤布の目印も多くなって一般化されつつある。そのうち表道のようにならぬか心配である。

<ルート図>

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