大垣山岳協会

ラッセル&耐風訓練・伊吹山弥高尾根 2022.12.25

伊吹山

【 一般山行 】 伊吹山(上平寺尾根~弥高尾根) ( 1377.3m Ⅰ△ ) 丹生 統司

 この日は西穂高へ行く計画であったが飛騨地方は前々日から大雪注意報が出され東海北陸道は閉鎖「外出を控えるよう」にとの通達も有って急遽、伊吹の弥高尾根に切り替えた。

<ルート図>
  • 日程:2022年12月25日(日)
  • 参加者:L.丹生統、SL.佐藤大、大谷早、内牧真、加藤美、塩川眞、成道、三輪唯、山本知
  • 行程:上平寺7:00-弥高山9:40-伊吹山山頂13:20~50-上平寺16:50
  • 地理院地図 2.5万図:関ヶ原

 前々日の深夜からの降雪で駐車地の心配をしたがかろうじて3台分のスペースを確保した。京極館跡を横目に伊吹神社下でワカンを装着、今冬初めての冬山がスタートした。

 湿気の多い重たい雪が樹々の梢に花を咲かせていた。早々に暑くてたまらず1枚脱いで体温調節をした。今日の滋賀県の天気予報は「午後から雨」と大チャンが自信たっぷりに言っている。風速は10~15mとの情報も漏れ聞こえて来た。

 上平寺城跡へ向かって道は九十九折れとなるが降雪は尾根の藪を隠している。道を離れて雪の斜面を直登して高度を稼いだ。雪は湿雪でワカンの埋まりが少なく爪は旨く雪を捉えて快調だ。斜面の上からショートカットの踏み跡を振り返り大満足。

 上平寺城遺跡三の丸辺りと思われる。年に2~3度は訪れるのにこんな大きな木が有ったのかと新たな発見に気付かされる。天気は時々薄日が差して予報が覆される希望が・・・

 上平寺城本丸跡直下をトラバースし大堀切の土橋を渡り切って弥高寺との分岐を過ぎた。道が西へ向かい大きくトラバースを始めると、そこから離れ高度で約100m斜面を直上した。うるさい藪が雪の下に閉じ込められており最短で目的地へ向かう、これが雪山登山の面白味であり自分達の足跡をルートとして残す喜びである。

 弥高山手前から雪が深くなって来た。雪質は軽くなったがワカンがふわふわの雪に埋まってペースダウンとなった。救いは時折青空が覗いた事だったが風が強く雲が流れていた。強風に備え防風防寒対策をして弥高山を出た。

 今冬初めての本格的な降雪から1日経過しただけで雪は締まっておらずトップのラッセルは大苦戦である。特に女性陣と高齢者2名はワカンが埋まって足が上がらない。ここはやはり大チャンの出番である。深い締まりのない雪をものともせず、あっという間に後続を置いて行く。日頃の不摂生をその時だけ反省している自分が情けない。

 弥高尾根は標高1150m辺りから傾斜が増してくる、ここでワカンからアイゼンに履き替えた。その姿勢は必ず山側に向かって行う、落石や雪崩など危険は上から襲って来る。風が強く寒い日で直ぐに指が悴んだ、バンドが手袋をしていると旨く扱えないがそれが出来るように訓練をしておく、絶対に素手で行わない。一旦冷えた指は中々感覚が戻らない。

 弥高尾根の一番傾斜の強い所で吹かれに吹かれて写真撮影どころではなかった。強風に頬が痛くて堪らずダウンの風防をかぶり顔を背けた。耐風姿勢訓練をしておらず小柄な女性が多くて心配したが大チャンの好リードと好ルートファイディングで旨く切り抜けた。

 実は獣害フェンスが新たに増設されて弥高尾根は山頂へ抜けられないと無雪期の情報を得ていた。山頂台地のフェンス迄来れば良しと思っていたが増設部分フェンスは倒され雪の下になっていた。風の凌げる場所を求めて山頂小屋を目指した。

 小屋の壁を風除けにして食事を済ませたが風は前から横から吹き抜けて腰を落ち着けた休息にはならず、早々に立ち去ることにした。冬山では素手になったらダメと指導したはずだが中々徹底は難しい。

 山頂を後にする段になって俄かに青空が覗いて来た。「白山が見えた」と傍を通った他パーティーの会話が聞こえ、大チャンに高みに行ってもらったがノーだった。北の方に雲があるのに、そんなわけないと思った。

 急傾斜の下降ではピッケルを利き腕で持つように指示した。天気は一時的に急回復して下降は大いに助けられた。しかし、時折強風が吹き抜けてバランスを崩すシーンを目撃、ハラハラである。「姿勢を低くして風に向かえ」思わず叫びそうに・・・

 眼下の雲が切れて近江長岡と長浜市街、琵琶湖が眺められた。新雪で埋まり丈を低くした小灌木の間を縫うように下降した。枝先を白花で飾った樹氷が綺麗だった。(内牧撮影)

 ここは年中強風が吹き抜けて樹木が育たず竜のヒゲに似た植物が株ごと凍っている、足場にすると安定して下降出来る。それにしても小春日和の天候に通過した記憶が全くない。

 ここまで下りれば一安心、アイゼンからワカンに再び履き替え山頂を振り返った。今日は午後から雨ではなかったの?大チャンを問い詰めると気象庁発表です、との返答。

 しかし、弥高山を過ぎる辺りから雪が降り出し上平寺城跡まで来ると激しくなった。駐車地まで下りると雨に変わった。やはり予報は当たった。完

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