大垣山岳協会

緑の回廊周回・笙ヶ岳 2022.06.26

笙ヶ岳

【 一般山行 】 養老山地・笙ヶ岳 ( Ⅳ等△ 908m ) 丹生 統司

 この日は尾根組と沢組に別れて笙ヶ岳山頂を目指した。尾根組は表山、裏山経由で沢組は大洞谷からである。旨く行けば笙ヶ岳山頂でランチタイムを過ごし互いの健闘を称えあう計画である。結果を述べれば山頂で会うことは叶わず、下山中の大洞谷源流を渡りもみじ峠に向かう辺りですれ違った。これは尾根組周回の新緑を楽しんだ報告である。

<ルート図>
  • 日程:2022年6月26日(日) 曇り
  • 参加者:L.宮澤健、SL.藤井利、小倉浩、大谷早、近藤味、柴田悦、丹生統、林 旬、藤野一、堀嵜尚、宮川祐、村田美、桃瀬日、安村單、山中晴、体験参加1名
  • 行程:養老公園駐車場7:45-表山9:50-裏山10:30-笙ヶ岳11:40~12:45-大洞谷源流渡渉13:15 もみじ峠13:30-養老の滝14:35-養老公園駐車場15:05
  • 地理院地図 2.5万図:養老

 本日の尾根組参加者は新会員と体験参加者を含めてL宮澤以下16名である。駐車地から見える右の尾根から表山、裏山経由で笙ヶ岳へ周回、中央に見える尾根を下降予定である。

 駐車場から表山へは標高差720m、登り一辺倒急傾斜の尾根を詰める。汗が噴き出て辛い、リーダーは30分毎を目安に思いやりの休憩タイムを設けてくれた。

 樹木が途切れると濃尾平野が背後の眼下に広がっていた。足元にはトリカブトやシダ類等の鹿が食しない草のみが繁っていた。

 苔むした石灰岩が冷涼感を誘う、高度を稼ぐごとに心地よい冷風が落葉樹の間をすり抜けた。一瞬立ち止まり汗ばんだ肌を冷気に晒してみどりの風を大きく吸い込んだ。

 表山山頂は高木広葉樹林の只中にある。本日は薄い雲が覆って太陽は隠れていたが晴れていても日は遮っていただろう。冷涼感のある山頂だった。

 点名・犬谷(Ⅲ等△ 838.18m)標石の文字面方向が北向きで珍しい。天端の四隅が欠かされており痛々しかった。

 表山から更に西へ向かい一旦60m下降した。コルは下草が無く落ち葉で埋まっていた。大洞谷から風が吹き上げ抜けており、このまま立ち止まっていたい気分にさせられた。

 裏山山頂へは100mの登り返しが待っていた。梅雨時で雨水を充分に吸い込んだ腐葉土の斜面は16名で踏まれると湿気を含んだ地肌が覗きラストは滑って歩き辛かった。

 俄かに周りの樹高が低くなってアセビの茂みが出現、それを抜けると檜の幹に「養老裏山」と書かれた山名板が括られた870mの山頂に着いた。北方向に伊吹山が見えて左に裾野を辿ると奥に琵琶湖が竹生島を浮かべて映えている。更に左に目線を動かせば鈴鹿の北端、霊仙山が南に黒い山並みを延ばしていた。東の眼下には濃尾平野が広がり、その北にそれと直ぐ判る金生山の赤茶けた地肌の採掘場が確認出来た。

 この日初めて360度の展望に大満足であったが山名が「裏山」ではちと可哀想ではないか。表山があれば裏山が当然あるだろう。わからぬではないがこれだけの展望で標高も表山を30m凌いでいる、らしい山名の名付けが出来なかったのか、もったいない。

 裏山から尾根は南に向きを変えて最低鞍部まで90m下降する。先ず下草のない気持ち良い広い樹林帯を行く、好き勝手にどこでも自由に歩ける素敵な広場だった。

 最低鞍部手前で尾根は細くなり3ルートが選択出来た。①岩場を避けて傾斜の緩い大洞谷側を捲くルート②細い岩尾根の直登ルート③岩場を右からトラバースするルートだ、我々は③のトラバース道を使用した。

 笙ヶ岳・東峰880m、ここまで来れば本峰に沢組が到着しておれば我々の声が聞こえるはずである。「ヤッホー」山頂へ向けて声を発したが返事は無かった。

 東峰と本峰のコルは広く風が抜けて涼むには適地であった。もみじ峠から大洞谷源流を跨いだトラバース道への分岐点である。沢組と最初に会う機会が有れば此処だと思ったが彼等は居なかった。

 点名・笙ヶ岳(Ⅳ等△ 908.3m)到着。山頂に他パーティー2名が居たが我々を見ると直ぐ下山した。残念だが沢組と山頂で会うことは出来なかった。

 山頂は我々16名と沢組8名がランチタイムを過ごすには狭すぎた。又他パーティーにも迷惑をかける。もみじ峠への分岐迄引き返しランチをいただきながら彼等を待つとした。

 もみじ峠への分岐コルで約1時間ランチタイムを過ごした。沢組の平木Lと連絡がとれて彼等は大洞登山口に着いたとのことだった。途中で会えることを確信して下山についた。

 コルから150mほど下降し長いトラバースを終えて大洞谷源流を跨いだ。もみじ峠への登りに掛かるところで沢組と出会った。メンバーは元気で沢を楽しめた笑顔だった。

 もみじ峠を越えると長い林道歩きが始まると思っていたが古道が尾根に残っておりそれを利用した。落ち葉の下に小石が隠れて油断できないがショートカットを楽しんだ。

 「養老の滝」に寄って名瀑の飛沫を浴びた。滝壺に近付いて水しぶきをもっと浴び、出来れば壺の水を両手ですくいたいと思ったがロープで規制されており叶わなかった。

 長い遊歩道を観光客に交わり歩き、途中、養老神社の水をボトルに汲んだ。ボトルの水が我が家に着く頃に酒になっておれば言うことなしだが。

 今山行の緑の回廊が良かったのか参加者の雰囲気が良かったか体験参加のUさんは入会の意志を示してくれた。たのもしい仲間も増えていい山行だった。完


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