【 一般山行(沢) 】 笙ヶ岳 ( 908m Ⅳ△ ) 大洞谷遡行 後藤 正雄
- 日程:2022年6月26日(日) 晴れ
- 参加者:L.平木勤、加藤美、後藤正、清水克、田中恵、廣瀬美、三輪唯、山本千
- 行程:中之江駐車場5:00=上石津町大洞谷林道駐車地6:00~6:15-入渓地6:20-一の門7:20-二の門8:15-三の門8:40-ブル残骸11:29-大谷林道終点養老山登山口12:15~12:25-笙ヶ岳登山道交差手前(尾根組と出会い)13:10-約790m沢靴履き替え14:05~14:20-笙ヶ岳東峰14:40-笙ヶ岳14:50~15:00-鉄塔16:35-駐車地18:05~18:30=中之江駐車場17:20
- 地理院地図 2.5万図:霊仙山・養老
まだ7月にもなっていないのに梅雨明け発表があり、連日猛暑が続いている。今日も晴れ予報、こんな日は沢登りにもってこいである。
中ノ江駐車場を5時に出て、上石津町上原の集落を抜け大洞林道にはいる。途中開けたところがあり駐車した。すでに地元の三輪さんが来ており早速準備に取り掛かる。
ここはヒルだらけと悪評の高いところ。女性陣をはじめメンバー皆、ヒル対策には余念がない。かくいう私は、多少のヒルなら無問題と特に忌避剤をまくでもなくいつも通りのスタイルであった。この時は、後ほどひどい目に合うとは知る由もなかった。
まず、平木リーダーからの本日のコース、注意点等の説明を受ける。
駐車地奥の道を少し進み、早々に入渓しする。まだ、朝が早く気温も高くない。水に入るとヒヤッとする。木々が覆いかぶさり少し薄暗い。
すぐに堰堤が現れる。右の巻き道に進む。
次の堰堤。こちらも右側から。
堰堤を降り沢に戻る。ちょっと進むとヒノキに鹿の骨が括り付けてあるのを見つけた。角も立派だ。昼間ならまだ良いが、暗くなり始める頃に出くわすとちょっと薄気味わるいだろう。
先に進むと、谷にも少しは陽が入ってきた。気持ちの良い渓相である。沢に入っても心地よくなってくる。
またもや大きな堰堤。こちらも巻いていく。
堰堤を越え、足を進める。目の前に一の門が現れる。両岸から岩が垂直に切り立ち迫る。
一の門を通り抜ける。
一の門を通り過ぎしばらく進むと、車輛の残骸を発見。見回しても車体はなく、すでに流されたのか、それともこの車輪だけ流れてきたか。折角の美渓が台無しだ。
太腿までの深み。気温も高くなってきた。気持ちよい沢歩きだ。
二の門が現れた。
二の門を通り抜ける。幻想的な景色が現れる。
15分ほど歩くと、三の門だ。奥に何かありそうだ。
三の門へ入っていく。
三の門をくぐると、その奥には険しそうなゴルジュが。なんだかワクワクしてくる。
ゴルジュに近づく。木々に陽があたり、いっそう緑が鮮やかに。
ゴルジュを抜ける。深みに入りながらも進んでいく。
数段の滝が流れ落ちる。ここはちょっと全員が登ることが難しいか。
ということで、巻いていく。今日の参加者は岩登り講習会参加済みのメンバーだ。皆慣れたもので軽快に登っていく。
狭く水流がきついところも問題なし。
次の滝は登れそうな感じだが、その奥にもさらに滝があった。こちらも巻くことにする。
本日、初めてロープを出す。時間もないため、一人一人を引き上げていく。
足場やホールドは多くある。自分でルートを考えることが大事だ。枝や根っこを利用するの結構だが、時々枯れ枝がある。いきなり全加重をかけるのはNGだ。
水は深そうだ。岩も濡れている。足元注意で進む。
暑さに耐えかねて?加藤さんが果敢に攻めていく。
孤軍奮闘、滝を登り切る。健闘に拍手。他のメンバーは左から巻いてあがる。
さらに足を進め、2回目のロープの出番。こちらも少し足場がわるいため念のため。
沢に戻る途中で見つけた廃車。興醒めだ。
お疲れさま。ゴルジュ帯を越え、しばし休憩。
落ちそうで落ちない。大きな岩が絶妙なバランスで浮いている。
気持ちの良い沢が続く。
簡単に登れそうで登れない。どこから登ろうか試行錯誤。
苔むした巨岩がゴロゴロと転がっている。
滝の直登はあきらめて、巻いていきます。
釣り師が先行していた。我々が追いついた形となるが、かなりお待たせすることに。ホールドはたくさんあるものの、最後に少し上がらないといけないのがいやらしい。
若い釣り師にお礼を伝え、先に行かせてもらう。ブルの残骸わき目に先に進む。
結構暑い。木陰の中なのでまだましだが。
だんだんと沢の水量も減ってきました。
沢を離れ、大谷林道にあがる。
大洞林道終点。養老山頂登山道案内版にてひと休み。短いながらもお腹を満たす。以前はここまで車で来ることができたようだが、現在は歩くしかない。
尾根組の宮澤リーダーと無線連絡。笙ヶ岳から少し降りたコルで昼休憩とのこと。山頂で会うことはやはり困難か。どこかですれ違うことができればよいが。
日差しがきつく地面も乾いているのだが、ヒルがあちこちと。ヒルのチェックは怠らず。結構注意を払っていたのだが、ちょこちょこと吸われた跡がある。ほかのメンバーはどうであろうか。
養老山への登山道を登っていく。登山道ははっきりとしているが、ところどころ崩れたところもある。渡渉を何度も繰り返すが、橋が落ちているところもちらほら。
右に折れるともみじ峠を経て養老山へ。我らは再び沢歩き。
分岐から少し進むと、尾根組からの掛け声が。会えずじまいかと思ったが、ぎりぎりのところでなんとか。
尾根組とエール交換後、笙ヶ岳登山道へと曲がらず。沢を詰めていく。
沢から水が消え、南西へ反転。傾斜がかなりきつくなってきたが、藪漕ぎがなくて快適だ。
沢靴から登山靴へ履き替え。スパッツを脱ぐとヒルに吸われた後が。ムムッこんなはずでは。
疲れた体にはちょっとの登りもキツイ。ようやく笙ヶ岳東峰へ。
養老山地の最高点、笙ヶ岳山頂( 908m Ⅳ△ )へ。沢を詰めての登頂で喜びも人一倍だ。
山頂で休憩中、大きなマダニを発見。つぶしても結構動き回り、その生命力に感心する。ただ吸われるのはヒルだけで十分だ。
西尾根を下山する。急な下りが続くが、途中登り返しもある。あぁしんどい。
わかりにく尾根分岐があり、ルート選択に注意を払う。廣瀬さん三輪さん両名を先頭にどんどん降りていく。
鉄塔下で休憩後、巡視路に沿って下りることができるかと思いきや、すぐに逸れ、点名・東山(486.7mⅣ△)から南西尾根の急坂を大洞林道通行止め地点まで降りる。
大洞林道止めからショートカットしてようやく舗装路歩き。駐車地へもう一息だ。
養老山地にこんな迫力満点の沢があるとは知らなかった。地元、再発見である。約12時間近くの長い行程ではあったが、バリエーション豊かで飽きることはなかった。
ただ、難点を言えば”ヒル”だ。下山後、着替えをしていると背中にも血の跡がべったり。吸われた箇所は両手でも足りない。途中、あれほどチェックしたつもりだったのに。ほかのメンバーを見るとほとんど被害にあっていないようだ。よほど私の血は美味しいのであろうか。
よくよく聞くと、忌避剤をまめにまくのは当然として、目の細かいパンストを履いたりとヒル対策の研究に怠りはないとのこと。備えあれば憂いなし。今後の課題としよう。
地理院地図
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