月報「わっぱ」 2023年11月(No.504)
【 一般山行 】 剱岳( 2997.1m Ⅲ△ 、最高点 2999m ) YC
- 地理院地図 2.5万図:立山(高山5-4)、剱岳(同5-3) [北緯36°37′/東経137°37′]
- 9月22日(金)(曇り時々霧雨)
三城交番西駐車場3:00=立山駅=(立山ケーブル)=美女平駅=(バス)=室堂9:25-雷鳥沢出合10:20-別山乗越12:30-剱沢野営場13:10(泊)

- 9月23日(土)(曇り時々霧雨)
剱沢野営場4:30-剣山荘5:30-一服剱6:10-前剱7:30-平蔵の頭8:35-剱岳10:05~10:35-前剱11:50-剣山荘13:15-剱沢野営場14:10(泊) - 参加者:L.NT、KM、YC
月明りも星も無い漆黒の中、4時半にテント場を出発。天気予報の「午前は曇り、午後から晴れ」を信じて歩きますが、ライトの明かりは私達のみ。霧雨になり、ぼんやりと灯りが暖かく剣山荘が見えます。雨具に着替え山荘裏から一服剱を目指します。合計で13箇所にプレートの鎖場があり、その1番目が現れます。
一服剱の狭い頂上から、前劔が見上げるような高さで現れます。前剱へはガレの急登が続き、浮石に注意して気が抜けない中、源次郎チームと南壁登攀チームの断念の交信が入ります。
前剱の門手前で、いよいよここからが正念場!4mの鉄のブリッジ、先は岩峰のトラバース右側は鋭く切れ谷になっています。安全の為に簡易ハーネス、シュリンゲとカラビナを使用します。時間が掛る為、私達の後ろが渋滞し焦りますが、気を落ち着かせ慎重に進みます。
平蔵側の岩を右斜上する鎖に導かれると、頭上のガスも切れ山頂が微かに見え出し、岩が乾いて一安心。平蔵の頭からの下降では、「スタンスはある!大胆かつ慎重に」と声が掛かります。岩登り講習の懸垂下降を思い出します。下降を終え、岩棚をトラバースしていると、再びガスに包まれた景色の中で、カメラをこちらに向けたシルエットが見えます。登頂して下山途中の平木さんと廣瀬さんです。旅先で出逢ったように嬉しく、2人の笑顔を見て元気になります。
別れて直ぐに、有名な剣岳の登りルート最難関「カニのタテバイ」、50m程の岩壁登攀です。まさに名前の由来通り、カニが岩壁を這い上がる様に3点確保で登ります。
そして遂に念願の剱岳の頂上です。山頂には早い時間帯なのか天候のせいなのか分かりませんが、15人程しか居ません。岩々に守られ2体のご神体が納められた祠の前でポーズ。
新田次郎の小説「剣岳 点の記」や同名の映画で有名な三角点は東の離れた場所にあります。登頂の困難さから、2004年ヘリコプターを使った資材輸送により三等三角点が設置されました。標高も2997.1mと公式に決まりました。
青空を期待して30分休憩。本来なら立山三山をはじめ北アルプスの名峰が見えるはずが、真っ白なガスの中です。諦めて下山。下山の難所で有名な「カニのヨコバイ」の一歩目、鎖に全体重を掛けながら腕を伸ばし、足の置き場を探すのに緊張します。岩から鉄梯子に移る時に、「バランスを崩しやすい為セルフを取るように」と指示されます。鎖の設置されたルンゼを下りると仮設トイレがありました。

天気予報が外れ雨脚がだんだん強くなります。一服剱で雨具に着替えますが、身体が冷えて口数が減っていきます。剣山荘に着くと、源次郎チームのメンバーが5時間待って居てくれました。みんなの笑顔を見てホッとし目頭が熱くなり照れ笑い。
いままで、登山は個人競技のようだと思っていました。しかし、本当は一つのチームだと知りました。パーティごとに訓練、努力して、お互い信じ合い助け合う姿を知りました。頑張り過ぎて腰痛で行けなくなった仲間、迷惑かけたくないと10㎏のザックを背負い金華山を何往復もした仲間、皆よく頑張りました。
技術不足の私達を見守り山頂に導いて下さったリーダーには感謝しかありません。
- 9月24日(日)(快晴)
剱沢野営場6:35-別山乗越7:35-室堂10:30=(バス)=美女平駅=(立山ケーブル)=立山駅=三城交番西駐車場18:00(解散)

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