【 一般山行 】 剱岳 ( 2999m Ⅲ等△ ) 富山県中新川郡立山町芦峅寺 NT
「軽量化とパーティー登山の理解」をテーマに秋の剱岳で2泊3日のミニ合宿を行った。本峰往復、源次郎尾根、本峰南壁のパーティーを編成した。大垣は雷雨が連日続いて不安定な天候であったが予報は俄かに好転、未だ明けやらぬ北陸道を胸を躍らせ車を走らせた。
- 日程:2023年9月22日~24日(金~日)
- 参加者:CL.NT、SL.GM、SL.HT、KM、YC、SD、ST、NY、HM
- 行程:後述
- 地理院地図 2.5万図:剱岳
- 2023年9月22日(金) 曇り時々霧雨
- 行程(タイム):室堂9:25-雷鳥沢出合10:22-別山乗越12:32-剱沢野営場13:12
室堂は気温8℃で駅舎の外は小寒く雨具の上着を着こみ、ザックカバーを着けて出発した。
ミクリガ池が雄山と大汝、富士ノ折立、真砂岳を水面に映している。ウィークデーの9時半前、観光客はまばらで気兼ねなく広い遊歩道を勝手気ままに使えて撮影が長くなった。
雷鳥荘の地獄谷を見下ろす台地でこれから登る雷鳥沢と別山を見上げる。登山道が九十九折に白く見え剱御前小舎の建物も、その左奥に剱岳が西に早月尾根を延ばしている。
雷鳥平のキャンプ場は登山する山が限られ中途半端なのにカラフルなテントで大賑わい、キャンプ愛好家の好地なのだろう。そこを過ぎて称名川を渡った所で休憩した。
遊歩道周りに「シラタマノキ」を多く見た。地面を這うような30㎝に満たない小低木だが10月になると肉厚の葉の紅葉が綺麗だ。果実は食用となるが果実酒が美味しいそうだ。
北アで見る「ナナカマド」の実は直径が10mmほどで奥美濃のそれの倍から3倍はあって見応えがある。雷鳥沢の下部斜面に多かった10月の紅葉は見事で岳の主役となるだろう。
背後の足下に雷鳥平、地獄谷の噴気、その奥に浄土山、国見岳が見える。この雷鳥沢を登る登山者のほとんどは剱岳を目指す人達である。単調で辛い登高につい根負けしそうになるが剱岳を登る気構えが試されている。弱音を吐くようでは剱岳を主体的に登れない。
別山乗越に到着したが剱岳の山頂部はガスで覆われ見えない。1枚羽織って剱沢へ向かう。
剱沢キャンプ場への下降途中でガスが切れ剱が、思わず立ち止まった。天気は回復傾向の予報で有った。それにしても雪がない、剱御前小舎直下でわずかばかり見たのみだ。
キャンプ場は我々で貸し切り状態、野営管理所で早速手続き、1人¥1000、水場、トイレ有り、良心的である。明日は午後から「晴れ」の情報も得て今山行の成功を確信した。ところが剱沢小屋では資材運搬のヘリが多忙でいつ来るか?ビール他全商品在庫切れとのこと。ビールは剣山荘へ行けば売ってくれるだろう、ただし片道40分は必要だと。
ともあれ、先ずは各人好みのサイト地を確保してテントを設営した。手頃な石が豊富でペグはいらない。砂礫地で雨は地面に浸透しやすそうでテント周りに溝を掘らずとも浸水は防げそうであった。
テント設営が終わると酒なしでは間が持たない。剣山荘へ片道40分の道程をビールの買い出しに行くことになったが高齢者の小生はSDちゃんにお願いした。
SDちゃんが帰ってくる頃に合わせるように剱岳山頂のガスが切れて八ツ峰と源次郎尾根、前剱と剱岳が全容を現した。カンパーイ!500mlの空き缶が直ぐに足元に転がった。
立山駅で購入した「吟醸酒」は直ぐに空に、500mlビールの空き缶が増すごとに口の滑りは増して話は弾んだ。再びガスが辺りを包んだが重ね着して寒さをしのぎ会話が途切れることはなかった。TSちゃんの手作り梅酒の差し入れも美味しく皆で頂いた。
明日の天気は約束されている。本峰往復チーム、源次郎尾根チーム、本峰南壁チームそれぞれに分かれてザイルを結びあう。この日の為に練習で培った「あ・うん」の呼吸が何処まで醸成されているか試される。2泊3日のミニ合宿であるが素晴らしいザイルパートナーを得て成長して欲しい。
明朝、南壁チームが3時、源次郎チームが4時、本峰往復チームは4時半出発を確認して17時を過ぎると各自のテントへ引き上げた。
№2へ続く
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