大垣山岳協会

能郷白山 2023.02.25-26 

能郷白山

月報「わっぱ」 2023年4月(No.497)

【 月例山行 】 能郷白山 ( 1617.4m Ⅰ△ ) HM

  • 日程:2023年2月25日(土)~ 26日(日)
  • 参加者:CL.SK、SL.GM、SM、NT、HM、FI、MH、YC
  • 行程:後述
  • 地理院地図 2.5万図:能郷(岐阜6-4) 、能郷白山(同6-3)[北緯35°46′/東経136°31′]

2月25日(土)(晴れ)
 三城交番西駐車場5:00=能郷谷ゲート7:00-能郷白山登山口8:30-テント場11:40~(泊) 

 大垣を5時に出発。道の駅「織部の里」で会員1名を拾い、車2台で山に向かった。途中能郷白山神社で登山届を提出。能郷谷ゲートまで雪は無くスムーズに走行し駐車できた。

 重いザックを背負い駐車地を7時に出発。林道も雪解けが進んでおり、8時半に標高約710mの能郷谷登山口に着き、まずは渡渉。川の水量は少な目でホッとしたのも束の間、岩で滑り水の中に落ちる者やストックを落とす者あり。予想外のことにびっくりした。

 ここからテント場までの標高差は約490m。ブナ林の中の急登をおしゃべりしながらゆっくりと登る。リーダーは息が切れないぐらいの良いペースで私たちを導いてくれた。

 11時40分に約1300mの目的地に到着。風の少ない場所に色とりどりの6つのテントが張られた。雪のテーブルに皆で集まり、お酒をいただき乾杯。青空の下、暖かい日差しを背中に感じながら、皆さんのお話を聞くのは本当に贅沢な時間だった。気が付くと夕方4時を過ぎていて風は冷たくなり気温計は0℃を指していた。気温がどんどん低くなってきたので各自テントに戻った。

テント場で雪のテーブルを囲みくつろぐ

 7時頃、外から「街の明かりが綺麗だぞ」という丹生理事長の声がした。テントから出てみると樹林の間からオレンジ色に輝いている町の光が見えてなんだかほっとする。星空も美しかった。就寝後はテントを揺らす暴風で何度も目が覚め、テントごと飛ばされてしまうのではないかと少し不安になった。一人のテントは想像以上に寒くて、フライシートからはサラサラと軽い雪の音がした。

2月26日(日)(雪)
 テント場6:00-前山7:00-能郷白山8:50-前山10:45-テント場12:50-駐車地15:30=大垣18:30(解散)

 翌日は5時起床。2人はテントに残り、能郷白山へは6人で行動することになった。テントはそのままにしてワカンを付けアイゼンやピッケル、行動食等必要な物だけを持ち6時に出発。昨夜からの降雪で足跡も消えて、白く美しい雪面が広がっていた。

 霧がひどく景色は見えにくかったが、吹きすさぶ風の中を前山方面に歩き始めた。ハードシェルのファスナーを締めて顔を隠すが、頬に雪があたって痛い。時折強風に煽られて体が持っていかれそうになる。髪が白く凍っていく。前山を巻いて尾根沿いに歩いていく。時折霧が晴れて遠くに磯倉が見えたので急いで写真を撮った。雪庇が発達していたため木の近くを歩くように気をつけた。

 能郷白山への最後の急登は少し凍っているところもあったが、サブリーダーが率先して先頭を歩いてくれて、ワカンで難なく登れた。能郷白山山頂もホワイトアウトで遠くの山はおろか、近くの尾根さえ見えなかった。

翌日は一転として風説の中、能郷白山頂上で

 天気の回復が見込めないので磯倉は諦めて戻るとリーダーから伝えられた。皆で地図を出しコンパスを合わせて帰り道をしっかり確認する。ただ来た道を戻っていけばいいだけなのだが、往路の踏み跡は薄くなっていて分かりにくい。

 前山までの尾根で私はリーダーのすぐ後ろを歩いていた。霧の中でサングラスも曇り視界が狭くなっていた。突然「あっ」と思った。右足の雪面がグラッと下がる感覚があり、咄嗟に左に逃げた。

 右後ろを振り返って見たら雪庇に大きなひびが入っていた。両足が乗っていたら落ちていたかもしれない。あれだけ往路で理事長に雪庇に近づくなと言われていたのに、周囲をしっかりと観察する努力を欠いていた。帰り道こそ気を引き締めなければいけなかったのだ。

 テン場に戻ると別の会員がスキーで登って来ており、明るく和やかな雰囲気。先ほどまでの緊張感が嘘のよう。12:50テントを撤収して下山開始。雪がグサグサしていたので滑らないように気をつけながら下った。15:30駐車地に到着。うすずみ温泉で汗を流して大垣に帰った。2日間ありがとうございました。今回の気づきを今後の糧にしたいと思います。

テント撤収後、参加者一同(撮影 清水L)
<ルート図>

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