大垣山岳協会

福井・白谷から能郷白山 2012.10.28

能郷白山

月報「わっぱ」 2012年12月(No.373)

【 個人山行(沢登り) 】 福井・白谷から能郷白山 ( 1617.3m Ⅰ△ ) 平木 勤

  • 日程:2012年10月28日(日)
  • 参加者:平木勤、他1名
  • 行程:大垣5:00=白谷堰堤記念碑7:30~45-小白谷出合9:50-能郷白山山頂14:05~15:00-温見峠16:20-白谷堰堤記念碑17:00
  • 地理院地図 2.5万図:能郷白山

 奧美濃の山の盟主、能郷白山に白谷を遡行して登ってきた。白谷というと、岐阜県側の揖斐川上流にも同名の谷があり、以前その谷から能郷白山に登ることができた。だが、徳山ダム湖の出現で不可能になった。今山行では、その尾根向こうの福井県側の白谷を詰めた。

 白谷の堰堤記念碑前(福井県大野市温見・標高約730m)に駐車して出発。だだっ広い谷に伸びる草深い林道跡を歩きだす。天気は上々だ。最初の巨大な堰堤を右岸から越えると花崗岩の白いガレで埋まった、谷の名にふさわしい川原が続く。計4つの堰堤の取り付きにそれぞれフィックスロープが付いていた。最後は少し高巻きになったが問題なく越えると、その先は少し谷が細くなる。

 頭だけ出している堰堤を幾つか越えて小白谷の出合に辿り着く。標高約990m。出合から石が敷き詰められた人工の河床が続き、そこを越えると最初の滝が現れる。ここは右岸を簡単に越える。

 標高1100m辺りで4mほどの滝を従えて16mの大滝(写真)。黒い岩肌に白い水流がほとばしるように落ちている。両岸は切り立ち、巻けそうにない。岩肌は滑りやすそうだったがホールド、スタンスともありそうだ。濡れたくないなあと思いながら流芯の右側に取り付く。途中水流の方へ追いやられシャワー状態。冷たさにしばし耐えて上部のテラスに出てからは思ったより簡単に登れた。

16mの大滝

 セカンドにロープを出すが日頃なれないためか、少し手間取った。その上にも3~4m滝が3つあり冷たい飛沫を浴びた。しばらくゴーロが続く。左岸に二条の滝を見たその先の二俣で谷を埋める紅葉を眺めながら休憩。

 右俣に入ってすぐに12mほどの大滝が現れた。水流は細いがボリューム感があり全体に苔むしている。左岸の草付きのズルズル滑りそうな斜面を巻く。

 その上の8mの垂瀑は滑っていて左岸の高巻き。かなりの高さまで追い上げられたが、下降は簡単だった。その先の二俣で右俣に入ると、水流は消え枯れ草が谷を覆う。足下のガレ場がやっかいだ。

 背後に福井の峰々を見ながら急登。灌木と足下のガレが邪魔をしてピッチが上がらない。やがてササやぶの壁が進路を塞ぐ。密度が濃い。絡まった糸をほどくように進む。20分弱で温見峠からの登山道に飛び出た。その20mほど先に一等三角点があった。

 能郷白山神社奥の院の祠に立ち寄ると、南に蕎麦粒山、西に冠山などの奥美濃の峰々、北に部子山、銀杏峰など奥越の山嶺が浮かんでいた。間近には端正な三角の磯倉が見えた。

その後三角点に戻って休憩。名古屋からのツアーだという団体が先に温見峠へ下りていった。温見峠までの登山道は今が盛りの紅葉に包まれてすばらしかった。何度も立ち止まってはカメラに収めた。温見峠からは車道を駐車地まで歩いた。西日を浴びた山腹が赤く燃え立つようだった。

<ルート図>

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