大垣山岳協会

能郷白山 2012.03.03

能郷白山

月報「わっぱ」 2012年4月(No.365)

【 個人山行・山スキー 】 能郷白山 ( 1617.3m Ⅰ△ ) 平木 勤

  • 日程:2012年3月3日(土)
  • 参加者:単独
  • 行程:大垣4:00=能郷谷駐車地5:30~6:00-夏道登山口8:00-主稜線9:35-前山三角点10:45-能郷白山山頂12:00~30-休憩12:40~13:40-登山口15:40-駐車地16:30
  • 地理院地図 2.5万図:能郷白山 ・能郷

 美濃の山の盟主、能郷白山には何度も登っているが、いずれも無雪期だった。雪のたっぷりある時期のスキー山行はかねてからの念願であった。

 能郷谷の林道は一つ目の橋の先が除雪終点だった。そこから長い林道歩き。幸い雪が残っておりシール歩行ができた。夏道の登山口で休んでいると単独の山スキーヤーが追いついてきた。聞くと僕より30分後のスタート。その速さに敬意を払って先に行ってもらう。

 登山口先でわずかに渡渉すると急な尾根に取り付く。腐り気味の雪でなかなか難しい登高となった。これなら左下に見える雪のつまった沢を登った方が良かったかもしれない。帰りはこの沢を滑降した。

 上部に至ると雪は固くしまり、スキーアイゼンを利かせて登る。左手の沢は上部で大きく雪が割れていた。

 主稜線に出ると穏やかな登りになる。雪庇の気になるところもあるが、やがて広い尾根に出ると楽しいスノーハイクとなる。

 前山の手前で無木立に近い急斜面になり慎重に歩を進めていく。右手に見える稜線下には雪割れが目立つ。

 前山までは方向を見失いそうなほど広々とした雪原だ。霧氷が付いたブナ林がすばらしい。折角だから前山の三角点(1491.2m)に寄ってみた。南側に発達した雪庇が恐ろしい程だった。前山から能郷白山に向けて穏やかな尾根を下り(写真はその途中から見た能郷白山、右端が山頂)、最低鞍部に出ると前方の尾根を単独スキーヤーが滑り降りてきた。やはり速い。

 最低鞍部を越えてその先の広い急斜面を登り切ればいよいよ山頂。日差しのお陰で雪面が柔らかくなってきているので助かる。

 斜度が緩くなると山頂台地に出る。ここも前山同様に広々とした雪原。その一番高いところが三角点だ。すばらしい展望が広がる。奥美濃や奥越の峰々が青空の下で白銀に輝いている。山名を確認する度にその山へ登った思い出がフラッシュバックしていく。

 しかし風が強い。南肩にある祠(能郷白山神社の奥の院)の陰もあまり代わり映えしないので風が弱い最低鞍部近くのブナ林まで下って、ゆったりした休憩を楽しんだ。ブナ林は霧氷を陽光に輝かせ、西正面に磯倉が端座していた。何時かスキーで行ってみたい。

 休憩後、前山までシールで登り返す。前山からは幅のある急斜面を滑降。午後の陽に雪が緩み、順調な滑りを楽しめた。

 登山口からは林道を快適に滑った。途中、猪を狙いに行くという猟師に会った。シシ鍋が食べたいなあと言うと、「仕留めた後、引っ張ってくれたらごちそうするけどな」と笑って答えてくれた。

<ルート図>

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