大垣山岳協会

焼岳(北峰) 2022.09.17

焼岳

【 一般山行 】 焼岳(北峰) ( 2444m △なし ) 山本 千登勢

  • 日程:2022年9月17日(土)(晴れ一時雨)
  • 参加者:CL.竹森せ、SL.藤井利、大谷早、加藤美、藤野一、宮澤健、村田美、山本知
  • 行程:三城交番西駐車場5:00=岐阜各務原IC=高山IC=中ノ湯駐車場8:15~8:30-焼岳登山口8:40-広場10:20-焼岳(北峰)11:40~12:30-登山口14:50=三城交番西駐車場20:00(解散)
  • 地理院地図 2.5万図:焼岳(高山7-4)

 三連休の双六岳~三俣蓮華岳の山行が台風14号で中止になり、リーダーの機転で焼岳の日帰り登山となりました。今も噴煙をたなびかせる北アルプス唯一の活火山で、硫黄岳とも呼ばれている人気の山です。日本百名山の秀峰で、著者深田久弥氏は美しいモザイク模様を見せる焼岳を五色の着物を着ているようだと評しました。

 今回は新中ノ湯コース。安房トンネルを抜け旧158号に入ると、すでに路肩に車が駐車してあり登山口駐車場は一杯でしたので、蛇行道を800m程登り12号カーブ路肩に駐車。

 焼岳登山口から緩やかな登山道にはソバナやアキノキリンソウが咲いています。次第に木の根や石階段の急登になります。息が上がり汗が滴り落ち、リーダーから「細かく上がらないと後から足が疲れるよ」と声が掛かります。ゴゼンタチバナやツルリンドウの赤い実に秋を感じ、オオシラビソやダケカンバの巨木を見上げると清々しい。

 登り始めて1時間後の標高1970m辺りで、昨年12月冬山訓練でテントを張った懐かしい場所に到着。あの時は新雪で中ノ湯温泉から4時間以上ラッセル、新人の私は後ろからついていくだけで精一杯でした。

 樹林帯を登り広場で休憩。焼岳南峰と大きな岩稜の後ろに北峰が見え、小さく登山者も見えます。焼岳の頂を見ながら進む道脇に、白玉の木、アカモモ、山リンドウを楽しみながら標高を上げて行きましたが、ナナカマドの葉は残念ながら枯れています。

 南峰と北峰のコルに上がると、エメラルドグリーンの美しい火口湖・正賀湖と爆裂火口が見え、みんな元気になり笑顔で写真撮影。南峰に標高2,455.4m二等三角点が置かれていますが、崩壊等で危険なため立ち入り禁止。北峰に向かいます。山腹に黄色く染まった噴気孔から白い噴煙が立ち上り、大地の息づかい、山の生命を感じます。

南峰北峰間のコルで火口湖を眺めながら

 急傾斜の岩場を登ると360°絶景の焼岳北峰の山頂で、独標が置かれています。北アルプス主稜線を形成する穂高岳、槍ヶ岳、笠ヶ岳、乗鞍岳と雄大な景色を目の前に「ずーっと ここに居たい!」とメンバーの声。信じられないほどの穂高岳の大きさに感動しながら、贅沢なランチタイム。

 下山準備を始めると、あっという間に山々がガスに覆われ雲隠れ。岩場は落石防止でヘルメットを被り下山します。途中2,000m辺りで、蛍光色のスタッフジャンパーを着た数名がしゃがんでいたので何をしているのか声を掛けると「雷鳥の餌になるクロマメノキの実を取っている」と返事が返ってきました。なんと!「ライチョウ復活プロジェクト」の信州大学名誉教授、中村浩志氏です。2018年7月、中央アルプス駒ヶ岳で50年ぶりに雌のライチョウ1羽が確認されたことをきっかけに、5年後には100個体に復活させるという計画です。話を聞きたいところですが、空模様が怪しくなってきたので先を急ぎます。少し雨に降られましたが、駐車場に着くころには晴れました。帰りは温泉で疲れた体を癒し大垣に帰宅。

 焼岳は私にとって特別な山です。体験山行で登り、初めてのテント泊が焼岳冬山訓練でした。今になり、何も知らない新人を連れて登山していただいた先輩方の技術や知識の高さ、度胸に驚きます。今回もリーダーが気象変化に対応され、的確な判断により登頂出来ました。先輩方には追いつけませんがこれからも努力したいと思います。

<ルート図>

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