大垣山岳協会

深雪に阻まれた・焼岳 2021.12.18-19

焼岳

【 冬山訓練 】 焼岳 ( 未踏 ) 丹生 統司

 関ケ原は今冬初めての積雪、車に積もった10㎝ほどの雪を払って大垣の仲間の待つ集合場所へ急いだ。飛騨地方は60㎝の積雪予報であるが道路情報は気なっても山の積雪情報は気にしていなかった。雨はまずいが雪なら問題なし、若い時はそれが通用したのだが・・

<ルート図>
  • 日程:2021年12月18 ~ 19日(土 ~ 日)
  • 参加者 : L.西村洋、丹生統、平木勤、藤野一、山本知、吉田千
  • 行程:
    • 12月18日(土)(雪時々曇り) 中ノ湯駐車場9:30-テント泊地標高1970m13:45
    • 12月19日(日)(雪)     テント泊地7:20-標高2275m11:05 テント泊地12:20~13:00-中ノ湯駐車場14:20
  • 地理院地図 2.5万図:焼岳

12月18日(雪時々曇り)
中ノ湯駐車場9:30-テント泊地標高1970m13:45

 東海北陸道は路上に雪は有ったが通行止めもなく、ソコソコ順調に中ノ湯温泉に到着、駐車料金は¥800/日、この季節にこの値段は助かる。早速準備して出発した。

 ホテルの横でワカンを装着した。ホテル裏からショートカットのトレースが登山口まで導いてくれた。ラッキー、このまま順調にキャンプ予定地迄行けそうな予感がしたのだが、

 ラッキーと思ったトレースだったが登山口からトラバース道を終えて登りに掛かるところで先行者に追いついた。以後キャンプ地まで、いいや明日もラッセル漬けとなるのだった。

 夏道を忠実に辿った。夏道沿いに踏まれた雪が締まって根雪となっており、新雪が有っても凹んで又残置の目印も豊富でルートの案内をしてくれる。これを踏み外すとワカンと雖も潜って体力を消耗した。それにしても重荷を担いで腰が曲がりそう。

 ラッセルに夢中になると時間の経過を忘れてしまう。気が付けば13時を過ぎている、テント泊適地を求めて深い雪を分けて進んだ。今冬初めてのラッセルでヘロヘロ、早く平地のキャンプ適地が現れて欲しいことのみ念じて黙々と歩いた。

 標高1972mを越えるとサイトに適した広場があり風除けのオオシラビソに囲まれた適地にテント村が出現した。テントを張る場合の注意は落雪を避ける為に樹木の下は避ける。我々が若い時は常にナイフをネックレスのように首に掛けていた。落雪による圧死も怖いがテントが潰されての窒息死も多い。ナイフはテントを割くためとクライミングの非常事態時にザイルを切断する為でもあった。

 コロナ禍で有りソロテントである。隣のテントの今夜のメニューが気にかかる。声を掛けると、何処からか「カレーでーす!」の返答が、後ろのテントからは「乾杯!」の声も、

12月19日(雪)
テント泊地7:20-標高2275m11:05-テント泊地12:20~13:00-中ノ湯駐車場14:20

 夜半、風が木々の梢を揺らす音が聞こえていた。明るくなって外を見ると新雪はさらに10㎝ほど増えていた。昨日のラッセルのスピードを考えると山頂まで届くことは相当難しい。リーダーはAM11時までに山頂に到達しなければ引き返すと言明をした。

 標高2000mを越えて南峰へ直接至る尾根に取り付いた。直ぐに急登となってパウダー状の雪は踏ん張った足が沈み軟雪に悪戦苦闘、雪壁が出来て足が上がらない。雪を見てワクワクしたのは入山日の朝だけ、身体が確実に退化どころか老化していることを思い知る。

 男も女も交代でラッセルを繰り返す、遅々ではあるが着実に高度を稼いで行った。

 後方から男女のペアに追いつかれた。「トレース使わせていただきました」と気分をくすぐる気持ちの良い挨拶、聞けば県内のG大学、頼もしい若者の強力を得て一気に高度を稼いだ。硫黄の臭いが鼻を衝いて山頂が近くなっていると感じた。周りの樹木の丈が低くなり天気が良ければ山頂方向が見通せただろう。幾分ラッセルが楽になったような気がした。

 木々が少なくなって、やっと山頂へ続く明瞭な尾根に出た、標高は2275mであった。山頂迄あと高度で180m我々の力だと往復2時間は必要だろう。既にリミットの11時を回っていた。G大学の若者二人は山頂まで頑張るつもりで腹を満たしていたが我々は潔くここで頂を諦め写真撮影の後下山を開始した。

 撤退を決めると、先ずは強風から逃げる。苦労して稼いだ高度を一気に下って森林帯で今日初めての休息、行動食と飲み物を口にした。トレースの出来た踏み跡の下山は早いもので「え~」と思うほど早くテント泊地に着いた。ついて間なく二組のパーティーが下から登って来た。宿泊装備を持っていそうにない軽ザックに見えたので我々のトレースが尽きた所で引き返すのだろう。「ラッセル有難う」の「ねぎらい」くらいは欲しかったが、恩着せがましいのも嫌われる。

 撤収作業中も容赦なく雪が降っておりザックも装備も人も雪まみれになった。これが冬山であるが、時折快晴に恵まれて厳冬の神々しい雪山を知ると止められない。

 撤収作業をしているとG大学の二人が降りて来た、思ったより早い下山に「もう登った」のかと聞くと「上は吹雪で見通しが利かず諦めた」とのことであった。

 今山行は、昨日、今日と最悪のコンディションの中でラッセルに次ぐラッセルであった。今回は天候に見放されてしまったが、いいラッセル訓練にはなった。特に女性は冬山フル装備を担いでのラッセルを平然とこなした。凄いことだ。

 今回焼岳の山頂には立てなかったが、今の我々の実力では引き返すことがベターな選択であった。もっともっと経験を積もう。完


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