大垣山岳協会

一等三角点あれこれ(その1)

TOPICS・随想・コラム

月報「わっぱ」 2020年7月(No.464)

一等三角点あれこれ(その1)  清水克宏

 昨年12月1日、和歌山県・奈良県の県境に位置する果無山脈の最高峰冷水山(1,262m)で「一等三角点百名山」を完登した。現在、会をあげて美濃地方の三角点踏査に取り組んでいるので、一等三角点のあれこれを紹介したい。

○一等三角点について

 地形図作成のために行われる一等三角測量では、まず三角の一辺となる基線の長さと両端の角度を正確に測量し、これをもとに順次40kmあまりの間隔で全国をおおう三角点を設置する。これが一等三角本点である。その後、その間を補完するために約25km間隔の密度になるように一等三角補点が設置された。一般的には本点と補点を含めて一等三角点と呼ぶことが多い。その後、二等、三等、四等と順次高密度に三角点を設置して、地形図が作成される。

 我が国の三角点設置数は右表のとおり全部で109,483点(2019年4月1日時点)ある。その中で一等三角点は全体の1%以下にすぎず、富士山も槍ヶ岳も一等ではない。

種 類サイズ点 数距 離
一等本点18㎝角32445km
一等補点65025km
二 等15㎝角5,0098km
三 等31,7544km
四 等12㎝角71,7492km

 岐阜県の一等三角点は大雨見山、乗鞍岳、兎馬場(川上岳)、御前岳、五善山(萩原御前山)、大洞山(和良)、恵那山、三階岳(三界山)、久田見山、屏風山(東濃)、大日ヶ岳、能郷白山、高賀山、三周岳(三周ヶ岳)、月夜谷山、檜峠(如来ヶ岳)、養老山の計17点で、県の面積に比べ少ない方である。一方、例えば鹿児島県に一等が52点もあるのは、島や領海が地図の作成対象となるため、設置点が多くなるからである。


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