大垣山岳協会

木曽駒ヶ岳冬山技術講習会 2015.12.12-13

木曽駒ヶ岳

月報「わっぱ」 2016年1月(No.410)

【 冬山技術講習会 】 木曽駒ヶ岳 ( 2956m Ⅲ△ ) 大橋 勉

  • 日程:2015年12月12日(土) ~ 13日(日)
  • 参加者:L.佐竹良、他6名
  • 行程:
    • 12月12日(土) 大垣5:00=大垣IC=駒ヶ根IC=菅ノ台バスセンター7:25~8:25=しらび平8:55=(駒ケ岳ロープウェイ)千畳敷9:25-ホテル千畳敷9:35~55-乗越浄土11:25-中岳12:15-木曽駒ヶ岳頂上12:50~13:25-千畳敷カールで講習-ホテル千畳敷15:50(泊)
    • 12月13日(日) 千畳敷カールで各種講習9:00~10:30-ロープウェイ10:55=しらび平11:12=菅ノ台バスC12:00=大垣
  • 地理院地図 2.5万図:木曽駒ヶ岳

12月12日(土)

 あまり良くない天気予報だったが、駒ヶ根市内では澄み切った青空が広がっていた。これなら、冬山技術講習だけなく、木曽駒山頂に登れるだろうと期待をふくらませながらシャトルバスセンターに着く。土曜でもあり、結構利用客が多くて、始発バスに乗れず、2番便の臨時バスに乗る。ロープウェイから千畳敷に下り立つ。

 ここで、リーダーが「明日より、今日の方が天気は良さそうなので、これより頂上を目指す」と予定変更の宣告。参加者はみんな「ヤッター」と喜びの声をあげた。

 近くに立つ積雪ゲージを見ると50cm弱。例年よりかなり少雪のようだ。宿泊ホテルに寄り、荷を軽くして出発。気温は0度Cと冷え込みはないが、雪面は程よい硬さであった。

千畳敷カールから乗越浄土へ登る。左端は宝剣岳

 「アイゼンなしで登る」のリーダー指示。私の個人山行では間違いなく装着するところだが、これも雪面歩行訓練である。傾斜雪面に靴をしっかり蹴りこみ一歩一歩進む。乗越浄土までキックステップで登りきった。宝剣山荘の前で、アイゼン装着の指示が出る。付け終わると、リーダーから装着具合の点検、指導を受ける。
    
 アイゼン歩行を始めたころ、辺りにガスがたちこめ、視界がふさがる。中岳を越えて、頂上山荘の立つ鞍部に下りて登り返し、駒ヶ岳神社の祠が霧の中に浮かぶ頂上に着いた。濃いガスが一瞬薄れ、晴れ間から北アの槍穂高の白い連なりがのぞき、すぐ消えた。カメラを出す時間もなかった。風のない場所で短い昼食休憩をとった後、下山開始。途中のカール斜面では、トラバース時の歩行、足の運び方、耐風姿勢などを訓練しながら下った。
    
 滑落停止訓練では初め躊躇していた女性陣が実践を重ねるうちに上達。負けじと私も身体に覚え込ませるように反復実践した。

滑落停止訓練

12月13日(日)

 朝から小雪が舞う。ホテルにいて、富士山から昇る日の出を期待したが、見ることは出来なかった。朝食後、ホテルから約100m上の急斜面(サギダルの頭の下方)で雪中訓練をする。よく、滑落事故を起こすアイゼン歩行での方向転換(引き返し)では、前方斜面に菱形を想定し、その外線に従い4回小さく曲がって反対方向に戻る方法を教わった。実戦して見ると、確かに安定した転換ができた。

 その内に、カール内は賑やかになる。山岳ガイドの登山教室らしいグループが周辺に現われた。そこで、さらに上部に移動してアイゼン歩行の急降下や滑落停止をして訓練を終わった。

 今回の訓練に参加して感じたことは、初心者同士での雪山経験では技術習得は難しく、経験豊富な先輩指導役からの実践的な教えが大切であることを知ったことだ。充実した収穫のある訓練参加だった。

<ルート図>

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