大垣山岳協会

御嶽山縦走 2013.08.24-25

御嶽山

月報「わっぱ」 2013年9月(No.382)

【 一般山行 】 御嶽山 ( 3067m Ⅰ△ ) 小倉 厚司

  • 日程:2013年8月24日(土)~ 25日(日)
  • 参加者:L.藤井利、小倉幹、小倉繁、後藤友、藤井真、桐山美、米山多、大城幸、大野益、大原和、大橋辰、霜田光、長野邦、伊藤喜、大橋勉、小倉厚、河口加、杉野一、山田哲、山本美、和田尚
  • 行程:
    • 8月24日(土) 大垣5:00=濁河温泉登山口9:05~30-湯の花峠(2103m)10:35-のぞき岩避難小屋11:10-お助け水11:55-飛騨頂上13:12-五の池小屋(2800m)13:13
    • 8月25日(日) 五の池小屋6:50-三ノ池-賽ノ河原-二の池新館7:45-剣ケ峰8:25-田の原駐車場11:22=大垣17:45
  • 地理院地図 2.5万図:御嶽山・御岳高原・胡桃島

8月24日(土)

 当初計画では長野県側の田の原から登り「五の池小屋」で一泊し、岐阜県側の濁河温泉へ下山する予定であったが24日朝の天気予報では、長野県側山麓の王滝村は雨、岐阜県側の下呂市は曇りの予報。リーダーの判断で逆コースに急遽変えて濁河温泉側から登り、田の原へ下山するコースにした。

 参加者21名を乗せマイクロバスは大垣を出発し国道41号を北上し、曇り空の広がる濁河温泉登山口に着いた。嶽橋を渡りしばらく進むと急斜面の続く登山道に入る。登山口の0番から飛騨頂上の42番まで100mごとに設置されたプレートを見ながら風通しの悪い針葉樹林の中を急登する。尾根筋に出て湯の花峠に到着すると、谷間に湧く温泉の硫黄臭が風に乗って流れて来る。立ち休憩の後尾根道をさらに辿ると樹高はだんだん低くなり8合目の休息ポイント、お助け水(2450m)に到着する。

 ここからダケカンバが茂る岩間の道に変わり、やがて森林限界を超えハイマツの大斜面。好天ならはるか白山まで見通せる大展望が得られるというが、全天ガスで何も見えない。ジグザグを繰り返しながら高度を上げるとハイマツからザラ地に変わり風とガスの中、ぼんやりと五の池小屋が見えてきた。外は結構な寒さだったが、小屋の中には大きな薪ストーブ暖かそうな炎を見せていた。まだ、時間がたっぷりあった。一息入れてから、仲間のうち二人が高峰の一つ継子岳(2858m)に登ってきた。往復1時間半かかったというが、眺望はゼロだったという。

8月25日(日)

 翌朝、雨風とガスの中、五の池小屋を出発し最高峰「剣ケ峰」を目指す。夜から降り始めた雨が続く。本降りである。雨具上下を着けて歩き出す。摩利支天山への立ち寄りはガスで展望が望めないので割愛し、三ノ池側斜面をトラバースするコースを行く(写真)。雨は終始降り続け、気温も下がり、しかも強い風。歩いていないと体が冷えてたまらない。賽の河原を縦断し二ノ池新館を経て池の脇を通り稜線に取り付く。

 ザラザラと崩れ歩きにくい斜面に雷鳥が一羽ガスの中に見えて消えた。やがて剣ケ峰直下の頂上山荘だ。山荘脇の急な石段を登り鳥居をくぐると御嶽神社奥宮のある 剣ケ峰だった。全国でも有数の絶景が得られると聞いていた眺望は悪天候で望めず、無念だった。バンザイ三唱と記念写真を撮り田の原へ下山開始する。

 時折、雨風が強くなり雨粒が雨具のフードをたたく音を聞きながら下った。その中を下からランニングシャツ、パンツ姿の若いランナーたちが駆け上がってきた。数人ひとかたまりになり、次から次へと登ってくる。みな若い人ばかりだ。この雨の中を小さなザック、ベルトに水筒姿。よくもこんな悪条件ものともせずに登るものだと舌を巻いた。後でネットを見ると、この競技は「OSJおんたけスカイレース」。アウトドアスポーツ団体主催の山岳トレイルで、大滝村から田の原、剣ケ峰を経て三ノ池を往復する延長37km、標高差2000mというすさまじいコースだそうだ。

 下山路にはランナーの他にたくさんの登山者たちや白装束の御嶽講の登拝者たちの姿もあった。富士登山ほどではないだろうが、雨中に次々現れる人々の数に驚く。登山、宗教、スポーツ、と人々の多様な願いを受け入れる御嶽山の無辺の包容力に圧倒された。

<ルート図>

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