大垣山岳協会

御嶽山冬山技術講習会 2013.12.07-08

御嶽山

月報「わっぱ」 2014年1月(No.386)

【 冬山技術講習会 】 御嶽山(剣ヶ峰) ( 3067m Ⅰ△ ) 杉本 誠一

  • 日程:2013年12月7日(土) ~ 8日(日)
  • 参加者:L.佐竹良、丹生統、西村洋、衣斐剛、中田英、平木勤、後藤正、大野ひ、杉本誠
  • 行程:
    • 12月7日(土)  大垣4:10=大垣IC=中津川IC=八海山駐車場8:10~40-ゴンドラ八海山駅=田の原駅9:10-王滝頂上遙拝所横テント設営9:40~11:30-あかっぱげ(雪上訓練)12:20~13:25-13:45テント場
    • 12月8日(日)   テント場7:25-富士見岩9:05-王滝頂上10:15~45-剣ヶ峰11:20~35-王滝頂上12:05-八合目13:00-テント場(撤収) 13:20~14:15-田の原駅(ゴンドラ)14:45=八海山駅-八海山駐車場15:00~30=大垣20:30
  • 地理院地図 2.5万図:御嶽山

12月7日
 御嶽2240スキー場に着くと、ゲレンデの雪は少ない。芝の斜面が広がっていた。ゴンドラに乗ってたちまち田の原駅に着いた。昨年の講習会では、ゴンドラが強風のため不通で、雪をかき分けゲレンデを歩いたという。適量の雪のあるゲレンデでは、スキーヤーたちが無数のシュプールを描いていた。

 田の原に出ると、雪の少なさがはっきり分かった。東北には大雪が降ったが、木曽一帯は今シーズンも昨年と同様雪は少なかったらしい。

 昨年と同様、遙拝所の横にテントを設営した。6人テントのポールが1本足らないというアクシデントがあったが、なんとか設営。やや不格好な姿にはなったが。

 途中で大パーティがやってきて近くのあちこちにテントを設営。立派なテント村ができあがった。聞けば豊田市周辺からの合同パーティらしい。

 テント設営後、あかっぱげまで登って雪上訓練。雪が少なくて木の杭があちこちに見える。数回雪面を滑ると地肌が見えてしまう。久しぶりの滑落停止訓練は形にならず奮闘する。腹筋を使い上体を起こすと素早く身体を回転できることが分かった。その後、ターンを含む歩行訓練を行って終了する。今回はアイゼンワークや輪かん歩行実技は中止した。テント場に戻って、楽しい飲食と歓談のひととき。少しゆがんだ6テンは素敵な交流の場となった。f

12月8日
 天気予報に反して、驚くほどのピーカンだが、結構な強風だ。目指す御嶽は群青色の空の下に白銀の輝きを見せている。稜線近くは雪煙が舞い上がっていた。

 テント場からアイゼンを付けて出発。森林限界をこえ高度が上がるにつれてパノラマが広がる。9合目辺りから風が強くなり、身体ごと吹っ飛ばされそうだ。腰を低くして慎重に進む。王滝頂上は、吹きさらしでよける場所が無かったが、しばしラーメン休憩。

 八丁ダルミは予想通りの強風だったが、立っていられない程ではない。雪面も思った程の固さはなかった(写真①)。剣ヶ峰に向かう途中、銅像や杭に出来た見事な海老の尻尾にみとれる。相変わらず風が吹き抜ける。剣ヶ峰では、槍、穂高、八ヶ岳、富士山が浮かんでいた(写真②)。空気が澄んでいるせいか、白い山々は手に取れるような鮮明度で迫ってきた。

写真① 八丁ダルミ付近から剣ヶ峰を目指す
写真② 山頂で登頂の万歳

 滑落停止訓や歩行訓練は時間の関係で下山行程中にすることになった。剣ヶ峰から少し下りたところでリーダーからアイゼン歩行についての説明がありその後各自実践。八丁ダルミまで快適に下った。王滝頂上からは沢筋を下っていった。雪が吹き溜まっていてなかなか快適だ。その内に滑落停止訓練の名の下に尻セード。雪が柔らかいので滑るのに苦労したようだがみんな楽しそうだった。

 好天につられたのか日帰りと思われる登山者が結構登ってきていた。初冬の冬山はまだ優しい。一ヶ月しない内に厳しい姿に変わる。それに備えての装備の確認と心の準備も今回の訓練の目的だ。

 田の原の駐車場から眺める御嶽はまだまだ雪は少なめだが凛とした強さと神々しさを秘めていた。

<ルート図>

ルート図

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