大垣山岳協会

乗鞍岳雪山講習会 2012.03.10-11

乗鞍岳

月報「わっぱ」 2012年4月(No.365)

【 初級雪山講習会 】 乗鞍岳 ( 3025.6m Ⅰ△ ) 杉本 誠一

  • 日程:2012年3月10日(土) ~ 11日(日)
  • 参加者:佐竹良、杉本眞、近藤初、後藤友、竹森せ、大野単、北川洋、伊藤正、藤森ふ、林旬子、霜田光、後藤正、杉本誠
  • 行程:
    • 3月10日(土)  大垣4:00=各務原IC=高山IC=安房トンネル=乗鞍高原温泉スキー場(駐車)9:10=スキーリフト終点10:10-位ヶ原13:30(テント設営終了14:40)
    • 3月11日(日)  テント場6:40-尾根取付き7:20-頂上9:00~20-テント場10:20~11:40-スキー場駐車場13:45~14:10=大垣20:30
  • 地理院地図 2.5万図:乗鞍岳

3月10日(土)

 スキーリフトを3本乗り継いで、楽々と1990m地点に到着。山スキーヤー、登山パーティーが位ヶ原に向け続々と出発していた。輪かんを装着して出発。数十センチの新雪の下に氷化した雪面があり、斜面では滑って歩きにくい。ガスが垂れ込め視界は50m程度。明確なトレースが付いていたが、いきなりの急登で面食らう。15分ほど登ると緩斜面となり、この後2回急登と緩斜面を繰り返し、位ヶ原の末端にたどり着いた。天候は徐々に回復。ちらりと主稜が姿を見せる。

 ドライブウェーのポールが直ぐそこに見える、少し小高い場所にテントを設営。

 3時ころ天候は完全に回復。正面には高天ヶ原から富士見岳のスカイラインが広がり、北方には、槍、穂高の吊り尾根。北アルプスの核心部が全開で、気分は最高!夕食は牛丼であった。

3月11日(日)

 4時起床、星が輝いている。天気予報通り午前中は期待できそう。アイゼンを着けて、やや強い風とピカ天の中を歩き出した。明日はパンダ顔に成りそうな強い日差し。締まった雪面にアイゼンがよく利いて気持ちが良い。風を避ける場所がなくて、大休止が取れない。出発から1時間後位から体力差のせいで、次第に隊列が、ばらけてきた。そこで、パーティーを2つ分けて、前部はIさん、Kさんが引っ張り、後部はSさんが拾っていく格好で頂上に到着。正面には御岳のどてっとした山様、北アルプスは箱庭のように見える。乗鞍神社本宮の社前で万歳三唱。

乗鞍岳剣ケ峰頂上。後方は大日岳(3014m)

 下山では、登りでSさんが立てたポールを目標に降りる。新雪が十数センチあったこともあり、尻セードはできず、みんな黙々と足で稼ぐ。

 テント場に着くと、下から山スキーヤーが登ってきた。肩の小屋方面から1パーティー下山して来た。

テント場からの穂高・吊尾根。右は前穂、左は奧穂

 テント撤収後下山開始。荷物が肩に食い込む。雪面が気温の上昇と共に腐り、氷化した下層に足が取られ、急な下りでは緊張した。風の無い森林限界より下では暑くてオーバーヤッケを脱ぐ。さらに下ると雪質が悪くなり、輪かんを装着して下山した。下りはリフトが利用できないので、スキー場の端をひたすら歩いた。駐車場に着いたころ、雪が舞ってきた。半日の晴れ間をフル活用出来た有意義な山行であった。

 今回の山行で気付いた点は、スノーシューの進化。頂上までスノーシューで登る人がいた。でかくて重くて扱いにくい、というこれまでのイメージが強いが、近年軽量化や操作性のアップなど確実に進化しているように思う。

 頂上で他の登山者からツアー登山と間違えられたことには驚いた。私たちに何を感じたのだろうか。

<ルート図>

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