月報「わっぱ」 2015年1月(No.398)
【 冬山技術講習会 】 乗鞍岳 ( 3026m Ⅰ△ ) 後藤 正雄
- 日程:2014年12月13日(土) ~ 14日(日)
- 参加者:L.佐竹良、他8名
- 行程:
12/13(土) 大垣4:00=中央道=長野道・松本IC=乗鞍高原スキー場駐車場8:30~9:00-かもしかリフト乗り場(1815m)10:50-リフト終点(2020m)12:00-テント場(2135m)13:20~テント設営完了15:00
12/14(日) テント場7:40~ラッセル訓練~折り返し点(2,220m)9:00~9:20-テント場10:30~12:40-乗鞍スキー場駐車場13:00-湯けむり館14:30=平湯=高山=東海北陸道=大垣19:00 - 地理院地図 2.5万図:乗鞍岳
12月入りして寒波襲来。13日から翌日にかけて大雪の予報が出ている。剣が峰まで行けるだろうか。不安な気持ちと共に小雨が降る大垣を出た。途中雪はちらついたものの、順調にスキー場に到着した。リフト券を求めに売り場へ進むが、残念なことにスキー場は一部のみ営業。リフトは上まで動いていない。下から登るしかない。位ヶ原までの幕営予定地までたどり着けるか、あやしくなる。
スキー場パトロール隊の人からゲレンデのコース状況を確かめ登り始める。新雪は深いがゲレンデ整備のスノーモービルの跡があるので歩きやすい。高度をあげ、かもしかリフト乗り場に着く。ここからはゲレンデ未整備のため登山者のトレースのみ。輪かんをつける。前方に1組2名の先行者が見えるが、動きも鈍く、ラッセルがきつそうだ。
雪は間断なく降り続くものの風もそれほど寒くはない。リフト終点から傾斜がきつくなると同時に新雪もぐんと深まる。先行者のトレースを辿って行くがそれでもかなりきつい登りだ。先行者に追いつきラッセルの先頭を代わる。スキー登山者のトレース跡があるが、ほとんど消える寸前だ。時間的に位ヶ原までは困難であり、テントが張れそうなところを探しながら進む。
標高2135mあたり、樹林の少し開けたところをテント場とする。積雪は2mほど。整地にとりかかるが踏んでも踏んでも一向にしまらない。整地をすませテントを張ろうとするが、風の通り道にあたるので飛ばされぬよう張り綱をいつにもましてしっかりと結ぶ。佐竹Lの「やり直しだ」の声が飛ぶ。作業中も雪は降り続き外張りにあっというまに積もる。
テントを張り終え、ストーブで暖をとりながら楽しい懇談が始まる。日没後も雪は降り続いた。
翌14日朝も雪は降り続いている。新たな積雪は50㌢ほどか。予定していた新雪時のラッセル訓練には好条件と言える。輪かんをつけ新雪の中を歩き始める。ふかふかの雪を突き進みラッセル開始。腿から深いところでは腰まである。通常なら縦隊で進むが、訓練なので、横に並び各自前方に登って行く(写真①)。ストック・ピッケルを利用して雪を崩してから登る方法や、足を横から回して進む花魁(おいらん)歩きなどそれぞれのパターンに応じた歩き方を体験する。
後ろを振り返るとトレースが幾重にもできており、やっている本人はみな大真面目だが、後から来た登山者にとっては、「なんのためだ」と不思議に思うことであろう。2220m付近の急斜面手前で訓練終了。まだ、時間はあったが、先へ進むには大量の新雪による雪崩の危険性が強いので、ここで引き返すことにする。テント場に戻り撤収の後、下山開始。かもしかリフト乗り場で輪かんを外し、つぼ足で下りる。スキーヤー、ボーダーのグループは見かけたが、登山者とはすれ違うことはなかった。
今山行では、リフトの休止や雪崩の危険で、剣が峰はもとより位ヶ原にも達しなかったが、久しぶりの新雪の感触は新鮮であった。腰まで埋まりながらのラッセル訓練は大変有益な体験であった。
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