大垣山岳協会

野登山 2023.04.09

野登山

月報「わっぱ」 2023年5月(No.498)

【 一般山行 】 野登山 ( 851.4m Ⅱ△ ) MK

  • 日程:2023年4月9日(日) (晴れ)
  • 参加者:L.MY、OS、KM、SE、HT、HS、MK、MH、YM、YH
  • 行程:中之江駐車場5:30=桑名東IC=鈴鹿IC=坂本棚田駐車地7:15~7:30-ミツマタ尾根-野登山-国見広場(昼食)10:30~11:30-野登寺-表参道12:20-坂本棚田駐車地13:30=中ノ江駐車場15:40 (解散)
  • 地理院地図 2.5万図:伊船(名古屋11-1)[北緯35°57′/東経136°25′]

 野登山への山行記録を記す前に、坂本の棚田について。棚田と呼ばれる耕作地は全国津々浦々、山間部などの傾斜面に階段状に作られた水田のことで、稲作などを行うために水を蓄排水できるよう人の手によって開拓されたそれである。坂本の特徴は石垣により補強をされた棚田であること。棚田百選のひとつにも数えられ、扇状地へとなる広がり口に多くみられる原風景でもある。各地で保存会の方々が中心となり歴史と伝統文化を後世に伝えるべく手作業を加え守っている。今回は、そんな棚田で有名な土地からの登山となる。人気の山で駐車場も狭いことから大垣を早朝出発、帰りは渋滞にはまらぬよう早めの時間に計画をしていただいた。

 棚田沿いの農道を登山口へ向かい林道を40分ほど進む。ほの黄色いミツマタの花が美しい。調べてみると、ミツマタは中国の雲南地方やヒマラヤ地方を原産とするジンチョウゲの種である。丈夫な樹皮の繊維を紙の原料として使うため畑で栽培されていたものが各地で野生化した。和紙の原料にはコウゾのほうが有名だろう。暖かい場所を好むため関東地方より西に分布し、中国地方や四国に多い植物であるらしい。

 ミツマタ尾根を登ると仙ヶ岳との分岐にさしかかる。ここから急登が始まる。車道に出るとその上には電波塔跡地があり、車で上までくることの出来る山だと認識する。山頂は開けていないため、その先の国見広場へ。金曜日まで降っていた雨のおかげか眺望もよく、鎌ヶ岳や御在所山がよく見えた。

 早めの昼食をとり野登寺へ寄る。元々野登山は鶏足山と呼ばれ、野登は寺の名前。鶏足寺はお隣の滋賀県の長浜にあり、三重県のここ野登寺は亀山城主の祈願所であったそうな。参道脇のお地蔵様に見守られながら進むと、綺麗な黄色いミツマタが見頃で階段を彩り私達を迎えてくれた。ミツマタと鶏足の形は似かよっていると思うが山の名前との関係性はよくわからない、記述にはある仏さまが3本足の鶏に山頂へ案内されたことに始まるとのこと。

野登山頂上で参加者一同

 急登を避ける場合は逆時計回りに登るのが良いのかもしれない。楽しい山行だった。晴れてよかった。風も心地よく。

<ルート図>

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