大垣山岳協会

芥見権現山・権現岩 2022.07.24

岐阜権現山

月報「わっぱ」 2022年8月(No.489)

【 月例山行・岩登り講習会 】 芥見権現山・権現岩 丹生 統司

  • 日程:2022年7月24日(日)(晴れ)
  • 参加者:CL.中田英、PL.平木勤、PL.後藤正、内牧真、尾内順、加藤美、北川稔、清水克、竹森せ、田中恵、丹生統、廣瀬美、三輪唯、村田美、山本知、吉田千
  • 行程:三城交番西駐車場6:00=芥見、岐阜市東部クリーンセンター周辺7:00-7:30 ~(岩登り講習)~13:30=大垣(解散)
  • 地理院地図 2.5万図:岐阜北部(岐阜4-3)

 今年の夏は剱岳にて合宿の予定である。その為に5月から参加者を募り、行きたい希望ルートを申告させた。それぞれが目的に沿って自ら体力づくりや技術習得に取り組むことを期待してのことである。それで岩登り講習会を6月に続き7月も2度計画した。今日は岐阜市の権現岩、そして次週は鈴鹿の石水渓である。

 芥見のクリーンセンター周辺の道路は膨らみが少なく、4台の車の駐車に時間を要した。老洞峠へ続く舗装された道は鎖のゲートで閉ざされており、跨いで越えた。直ぐに権現岩と思われる岩場が山の中腹に見えた。中々立派な岩場と思えた。峠の手前で左に踏み跡が照葉樹林の中へ続いており、それを辿って15分ほどで岩場の下に着いた。

 今回は合宿を想定し、当日のチームごとに岩講習を行った。チーム八ツ峰(中田L、廣瀬、吉田、竹森)、チーム源次郎(平木L、清水、三輪、山本)、チーム本峰往復(後藤L、内牧、尾内、加藤、北川、田中、村田、丹生)に分かれて岩場を選択した。私の所属する本峰往復班は先ずはロープ結びの復習からスタートしたのだが、6月の講習から日が経過しており記憶が怪しくなっている。講習で行ったロープ結びは必須であり、「暗闇でも出来なければダメです」とリーダーのキツイお言葉は、今日の講習の重要性を認識して欲しいからである。

 リーダーが剱岳の登山道を想定して、一番左側の岩稜にザイルをセットしてくれていた。その岩稜はホールド、スタンスは豊富だが、安全を期してザイルにクレイムハイストまたはブルージック結びのバックアップをとって登高の練習を行った。登り終えて大事なことはセルフビレイ(自己確保)で、高所での安全を身体に沁み込ませていただきたい。何より自分の生命が守れなくては仲間の命は守れないと。

 岩場の高みに立つと足下にクリーンセンターが有って、気持ちいい高度感である。西の山並みの奥に伊吹山が威風堂々と、その北に小津権現山が格好いい三角の頂を見せていた。

 岩稜の左壁を利用してクライムダウンも何度か繰り返した。実際の登山道の岩場を想定して行ったが、ホールドの位置を低くすると足場が見えやすく何度か繰り返すとスムーズに降りられるようになっていた。懸垂下降は岩稜を使用して行ったが「身体が振られぬように、歩くように」注文が多くて大変だが山登りの必須の技術、きっと役に立つ。

 岩稜講習も3時間を超えると岩場に慣れて飽きが来ており、昼食後は中田リーダーの八ツ峰班に合流して正面壁にチャレンジすることになった。クライミングに当たってはビレイ者との呼吸と信頼が大事で「ビレイ完了」等の大声での意思疎通が重要である。

 先ず中田リーダーの模範登攀を見学した。靴底に吸盤でもついているようにスイスイ岩を歩くように登って行った。滑らかで無駄な動きが全くない。続いて廣瀬女史がリードクライムに挑戦、カラビナを予め埋め込まれていたピンにセットしてこれまた簡単そうに登って行った。今登っているルートは「権兵衛の種まき」、ユニークなルート名である。他にも「タンスに権現」や「ままごん」等々あって、楽しく愉快にしてくれた。

 デモンストレーションの後に加藤女史、山本女史が挑戦した。ホールドやスタンスが無いとぼやきながらも行き詰ることなく完登、我が会女性陣のやる気に脱帽である。最後に45年ほど長い間山から遠ざかっていた三輪君が挑戦した。彼は今季に山道具を新調して復帰、約6ヶ月の訓練でこのフェースを登るまでになった。昔取った杵柄があるとはいえ、73才の気力に教わるものが有った。山登りは青春に回帰させてくれる。

正面壁での懸垂下降の様子

 熱い一日であった。13時30分にザイルを回収して権現岩の岩登り講習会を終えた。来週、もう一度の講習会の後は本番が待っている。剱岳の夏合宿へ向けて頑張るぞ。


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