大垣山岳協会

高時山 2021.11.06

高時山(加子母)

月報「わっぱ」 2021年12月(No.481)

【 一般山行 】 高時山 ( 1564m Ⅱ△ ) 清水 満里子

  • 日程:2021年11月6日(土) (晴れ)
  • 参加者:L.鈴木正、後藤正、清水満、竹森せ、藤井利、堀 洋
  • 行程:中之江駐車場5:30=中津川IC(鈴木Lと合流)=駐車地7:45~8:00-林道屈曲部出合9:00-点名・野田ノ尾9:45-高時山北峰12:20-高時山12:45-駐車地16:40=中之江駐車場19:30(解散)
  • 地理院地図 2.5万図:加子母(飯田10-2)

 大垣山協に入って2年目。コツコツと山行を続け、先月槍ケ岳に登頂できたことで体力に自信がつき、今回初めて三ツ星のヤブ山に参加してみようという気になった。リーダーは参加を快く受けてくださったが、持ち物にヘルメットとヘッドライト必携とあり、またYAMAPで検索しても地図やルートが出て来ず、前情報が得られないことでたちまち不安になる。しかし参加者はベテラン揃いなので、とにかく必死について行こうとその日を迎えた。

 登る前にリーダーからGPSに頼らず、2万5千の地形図を見て自分の居場所を確認して行動するように言われた。YAMAPの地図を見て登った気になるなと言われたような気がした。登山道などなく道路脇からいきなりよじ登って行く。ストック2本持って上がってしまい、片手で木を掴むため1本はザックに縛り付けた。先頭のリーダーがノコギリで木を伐り、2番手の藤井氏が片手で枝を折って進む。通称『ポッキン』と言って、これが案外道標になるのだと。後続の私も真似てやってみた。

 道迷いしそうな箇所にリーダーから最後尾の後藤氏に赤布を括り付けるよう指令が飛ぶ。役割分担し見事なチームプレー。ヒノキの人工林ばかりだが、時折楓や紅葉が赤や黄色に輝き目を楽しませてくれた。1時間程で最初の林道に出る。そこでまず現在位置確認。その後、笹ヤフが一気に背丈を増し、前の人の姿を見失わないように必死について行く。笹は細いスズタケだが密集し背丈が2m程あり、踏みつけたり両手で掻き分けたりと疲労困憊である。

 野田ノ尾から北峰までは加子母木曽国有林の西側境界であり、その境界杭が道標となる。『国有林境界見出標』と書いた赤い札を見つけるとホッとする。ヤブ潜りが2時間程続き北峰に到着。北側に頭に薄く雲がかかった御嶽山が見えた。地獄谷の噴煙は確認できなかった。西から唐塩山、前山、小秀山が連なって見える。

紅葉に癒されながら笹薮を行く

 先頭でずっとヤブ漕ぎしてくれていたリーダーの足が攣りはじめ、北峰で引き返す事にした。勇者3人がザックを置いて空身で高時山に登り、私を含め3人は北峰で待機した。勇者たちは正味50分で戻って来たが、高時山まで同様に背丈の高い笹のヤブ漕ぎだったらしい。

高時山山頂
高時山北峰

 先頭を藤井氏が代わり下山し始めるが、リーダーの足の不調は本格的となり、しばし腰を下ろし休む。けれど痙攣止めの薬が効いてきてからは順調になり、頼りの赤布を見つけ回収しながら下山。段々と薄暗くなってきた頃沢の音が聞こえ、ガードレールが見えてきた。

 日が暮れる前に下山出来て、みんなで喜び合い拳を合わせる。私は三ツ星山参加は初めてなので比較出来ないが、ベテラン勢から今日の山は文句なしの三ツ星山だと聞き「やったー」と喜んだ。難易度が高くなればなるほど一人一人の役割が重要となる。助け合い支え合い共に乗り越えないといけない。便利な世の中にいると人との繋がり希薄になってしまうが、人の力と温かさを感じ取れた三ツ星山であった。

<ルート図>

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