大垣山岳協会

屏風山(旧根尾村)育成山行 2019.10.26

屏風山

【 個人山行・育成山行 】 屏風山 ( 1354m Ⅱ等△ ) 丹生 統司

  • 日程:2019年10月26日(日)
  • 参加者:L 丹生統、伊藤正、後藤正、大谷早、藤野一、吉田千、宮澤健、田中恵、山本知
  • コースタイム:河内谷林道ゲート7:43-屏風谷出合9:07-尾根取付10:16-県境乗越11:24-屏風山頂13:20~13:50-屏風谷出合16:59-ゲート18:13
  • 地理院地図 2.5万図:平家岳

 嘗ての奥美濃の山々に道はなかった。冠山も金草山も蕎麦粒山もそして屏風山しかりで残雪を利用するか谷を地下足袋に草鞋履きで沢登り技術を駆使し頂きに立った。だが、いつの頃か道が出来て奥美濃の難峰は普通の山となった。しかし屏風山は滝のへつりあり、急登ありで気が抜けず道は藪が覆って歩き辛い。でもピラミダルな山頂は360度の大眺望である。岩場訓練経験者の山行に最適な山だ。
ゲートから1時間25分を要し屏風谷出合へ、出合の大きな沢グルミは健在だったが本谷の水が多い。

 4年ほど前に単独で来た時滝右岸へつりの足場の丸太が無くなっていた。今回は安全を期してハーケン、カラビナ、ハンマーの三つ道具を用意してきたがアンカーが打たれトラロープのフィックスがセットされており嬉しい誤算だった。それでもザイルを張りカラビナを通し安全を確保して渡った。

 連日の降雨で沢水が多くまた苔が復活し岩が滑っており沢の渡渉に手間取った。尾根の取付きまで1時間10分も要し想定外のタイムロスだ。そして急登が始まった。

 70mの直登が終わると倒木が現われた。直径が80㎝もあるモミの木や檜が急斜面に横たわり越すのに四苦八苦。時に枝に足をかけ幹に登り越えると今度は倒木を潜る。そして藪を分けてまた越える。

県境尾根に到達するとうるさい藪の間から山頂が見えた。

紅葉にはまだ2週間ほど早いようだが時々ハットするほど色付いたドウダンツツジが目を引いた。奇麗だった。

 尾根乗越から山頂まで高差約350m、踏み跡はしっかりしているが藪が覆っており掻き分け進む。県境尾根の天然ヒノキも昨年と今年の台風で無残な状態であったが凱旋門のような双木檜は唯一残っていた。

笹の丈が低くなると頂は近い三角錐は登り切った所が山頂だ。あまりの急傾斜に帰りの心配をする声も。

 想定外の増水での渡渉や倒木帯の通過で手間取り山頂着は大幅に遅れた。それでも全員登頂万歳!!生憎の天候で能郷白山も雲の中、加賀白山も北アも当然見えない。昨夜の天気予報は晴天のはずだった。

 下降は心配したが意外と全員スムーズに降りた。やはり一度登りで経験した慣れは大きく渡渉も滝のへつり通過も往きより上手だ。滑った岩に乗るときは靴裏をフラットにしてストックでバランスをとり足指と土踏まずで岩を掴むイメージで乗ると滑りにくい。全員頼もしくなって屏風谷出合に着いた。だが出合から林道に上がると17時前で林道歩きの途中でヘッドランプの助けを借りた。

 今回は想定外のことが多かった。しかし想定外の事に対応出来る知識や技術を身に着け磨くことが育成山行だとすれば良い条件のときに山行が出来た。伊藤正さん後藤正君ホローありがとう。

<ルート図>

ルート図

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