大垣山岳協会

ミノマタ、五蛇池山、蕎麦粒山縦走 2018.03.24-25

蕎麦粒山

【 個人山行 】 ミノマタ、五蛇池山、蕎麦粒山縦走報告 清水克宏

  • 日程:2018年3月24日(土)~25日(日) 快晴
  • 参加者:鈴木正、清水克
  • 行程:
    • 24日 坂内集合6:00―国道417号線駐車地7:00…鉄塔8:00…918mポイント10:10…主稜線取付点(昼食)11:50~12:10…ミノマタ山頂13:00…主稜線取付点13:45…1,011mポイント16:00(テント泊)
    • 25日 1,011mポイント6:30…五蛇池山山頂7:30…小蕎麦粒山10:05…蕎麦粒山山頂12:00~12:30…1,075mポイント…839mポイント14:45…大谷川渡渉点16:00―国道417号線駐車地解散16:30

 揖斐川と、その支流西谷に抱き込まれるように連なる山々。

 2万5千分の1地形図には標高1,101mの三角点表示だけで山名表記がない基準点名「三ツ又」、通称ミノマタ。かつて山頂近くに5つの池があり、雨乞いのための龍神が祀られていたという五蛇池山 (1,148m)。この山域きっての鋭鋒、蕎麦粒山 (そむぎやま:1,297m)。それぞれ単独でもタフな三山の、残雪期テント泊縦走を鈴木さんが計画され、3月24〜25日、同行しました。

 出発地点は、国道417号線のダム放流サイレンそばの尾根取り付き点となる国道擁壁の階段から。

 尾根は、先週の雨で雪解けがすすんでいるけれど、幸いヤブは薄く、900mあたりからわかんを装着。ミノマタ〜五蛇池山をつなぐ主稜線には11:50到着。荷物をデポし、ミノマタまで往復する。途中までは雪庇が発達し快調に進むが、小ピークを過ぎたあたりからヤブが出て、ルート取りに苦労する。雪の中に鹿がしっかりした獣道を作っているので、それを頼りに進む。13:00ミノマタ到着。山頂から東には小津三山、北には能郷白山をはじめ徳山ダム湖周りの山々が一望。

 さて、ここからが今回の中核部分、ミノマタと五蛇池山をつなぐ稜線縦走。五蛇池山(画像左)、その先の小蕎麦粒山(右:約1,230m)、最奥(中央)の蕎麦粒山を目の当たりにしながら雪庇の発達した尾根を進む。地形図の1,011mの小ピークに16:00到着。鞍部に抜ける風の当たらない位置を選んでテント泊。

 翌25日も快晴。テントを撤収し、6:30出発。昨日に引き続きミノマタ~五蛇池山間の稜線を進む。南に朝日を浴びる天狗山、黒津山の稜線が見える。稜線のブナたちも立派。

雪庇のよく発達した五蛇池山への最後の登り。

 7:30五蛇池山山頂に到着。昨日今日とたどってきたミノマタからの長い稜線も一望。

 五蛇池山の名前の由来となった、かつて池があった窪地越しに、小蕎麦粒山を望む。

 今回最大の難関は、この小蕎麦粒山への急な登り。途中から、雪庇がなくなり、ブッシュと格闘。再び雪が出たものの今度は岩が行く手を塞ぐ。右手はまったくの急斜面、左手を巻くのもひどいブッシュだしその先は比較的急斜面。覚悟を決め、わかんを外し、正面の岩によじ登り突破。これが正解だったよう。

 小蕎麦粒山から仰ぐ雪の蕎麦粒山は、昨年初夏に登った時とは全く違う顔を見せていた。四季はっきりと表情を変える日本の山岳は、一度登って「制覇」なんて言えないのを実感。

 小蕎麦粒山の下りで、蕎麦粒山からの単独行の男性とすれ違う。稜線をまっすぐ下ると岩の上に出てしまうので、その岩を右手(西)に巻くといいですよと、貴重なアドバイスをもらう。巻いた後、岩の間をくぐって稜線に戻り、12:00蕎麦粒山に到着。山頂から旧徳山村の門入集落と、その背後の千回沢山、不動山が拝めたのが特にうれしかった。

 蕎麦粒山からの下りも案外長い。800mあたりで雪がなくなり、わかんを外し、落ち葉の道を進む。

 植林地に降り、心配していた最後の大谷川の丸木橋もしっかり新調されていて一安心。発想さえしなかった充実のルートに誘っていただき、感謝です。

<ルート図>

コメント