大垣山岳協会

ブナの巨木に会える手近な山・蕎麦粒山 2020.09.26

蕎麦粒山

【 一般山行 】 蕎麦粒山 ( 1296.6m Ⅱ等△ ) 丹生 統司

  • 日程:令和2年9月26日(土)曇り
  • 参加者:L.柴田悦子、小倉幹、小倉浩、杉本眞、竹森せ、丹生統、林旬、藤井利、村田美、宮澤健、山本千
  • 行程:大谷川ゲート駐車場6:05-ジャンクションP8:20-最低鞍部9:10-蕎麦粒山頂-10:15~11:10-ジャンクションP12:45-大谷川ゲート駐車場14:00
  • 地理院地図 2.5万図:美濃広瀬

 当会9月の一般山行は蕎麦粒山であるが、どうも9月の天候は安定しない。NHKの週間天気予報なんぞ信じていたら毎週山に行けない。今山行もギリギリ粘って前日決行となった。しかし前日までの雨で水量は多い、最初の障害!流れを前に何処を渡るべきか思案顔。

 こんな時は「エイヤー」気合で素早く渡れば靴下の濡れは最小で済む。突然の雨に傘なしで雨中に飛び出すように気合を入れて突っ切る。逡巡していると濡れネズミになる。

 尾根にはモミの巨木が有って思わず見上げてしまう。だが今日のメンバーは健脚ぞろいでカメラを向けていると置いていかれてしまう。

 ジャンクションピーク70m下の台地はブナ平と名付けたいほど素敵で立派なブナ林である。積雪期の灌木や笹が雪で隠された時期に此処でテント泊をしたいと思っているがまだ実現出来ていない。

 ジャンクションピークから1075mのピークを越えて最低鞍部に向かって下降が始まると笹藪が濃くなった。邪魔な枝を鉈で払っていると置いて行かれ手抜きが多くなった。駐車場を出る時に一瞬だが青空が覗き希望が湧いたがガスが覆って一度もピラミダルな山頂を見ていない。衣服はベタベタで無雪期の蕎麦粒山は冬季より始末が悪い。

 道跡が完全に藪で覆われ不明瞭となるもブナの高木が現れると踏み跡が現れて来た。嘗て伐採された折に尾根に残されたブナが健在なところは藪が薄かった。

 尾根にある名物天然ヒノキの大木、蕎麦粒山に来るたびにこの木が健在で有ることを確認する。幹芯の上部が枯れてきており心配でならない。またこの場所から広瀬の集落が大谷川の下流に見えるのだが今日はガスに包まれ何も見えない。

 山頂が近くなると石楠花が多くなる。来年の花芽が少ないようで気になった。今年の異常な猛暑の夏のせいであろうか。

 石楠花や低灌木を分けて山頂に着いた。駐車場から4時間10分で到達したが若い方が居ると引っ張られて歩けるものだ。三角点は南向きで南側の両角が欠けていた。漂白剤で洗ったばかりのように真っ白で綺麗であった。

 残念ながら今日は雲が低く周りはガスで隠されて直ぐ近くのコソムギや五蛇池山さえも見えなかった。360度の大展望は次回にお預けとなった。それでも初めて蕎麦粒山に登った淑女を含む万歳三唱は能郷白山まで届くほど声高であった。

 狭い山頂であるが今日の参加者11人が車座になって食事を戴くにはちょうど良い広さであった。顔が確認出来て声が届いて楽しい昼食休憩であった。狭い山頂であるが今日の参加者11人が車座になって食事を戴くにはちょうど良い広さであった。顔が確認出来て声が届いて楽しい昼食休憩であった。

 帰りもぶっ飛ばして年寄りは置いていかれないように懸命に追いかけた。雲は低く垂れこめていたが高度が下がるごとに暖かくなり汗がにじんだ。

 杉の植林帯まで下るとやれやれと普通は気が抜けるのであるが今日はここからヒルの巣窟で油断も気も抜けなかった。彼等は獲物を待ち構えていた。マゴマゴしていたらトロトロ歩いていたら彼らに献血することになる。足早に通り過ぎた。

 大谷川の渡渉は帰りのことで足早に渡るもの、じっくり谷水を靴に浸み込ませ家庭での洗いを省略せんとする者等11人11様であった。

 駐車場に着いての楽しみは誰が何匹ヒルを持ち帰ったかで有った。あちこちでスパッツを外す度に乙女に帰った黄色い声が谷間に木霊した。完


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