月報「わっぱ」 2015年10月(No.407)
【 一般山行(沢登り) 】 小白山・俵谷沢登り(未完) 平木 勤
- 日程:2015年9月5日(土) ~ 6日(日)
- 参加者:L.平木勤、他4名
- 行程:
- 9月5日(土)大垣10:00=東海北陸道・白鳥IC=小谷堂(こたんどう)駐車地12:00~30─俵谷林道─最終堰堤上部(入渓地)13:45~14:00─880m二俣テント場14:40
- 6日(日)テント泊地7:10─15m大滝(引返し地点=写真)7:40─テント泊地8:10~30─最終堰堤上部9:05~15─俵谷林道─小谷堂10:40=白鳥IC=大垣
- 地理院地図 2.5万図:下山
秋雨前線と低気圧の接近予報でヤキモキしたが、土曜日は晴れ、日曜日も午前中は何とか持ちそうな予報だったので、決行した。石徹白(岐阜県郡上市白鳥町)から、石徹白川沿いの県道を西進、県境を越してすぐの路側に駐車。ここは昔、約10戸の集落があった小谷堂(福井県大野市)で廃村となり久しい。薄曇りの下、北に延びる俵谷林道を歩き出す。
俵谷はここから小白山(1609m)山頂に突き上げる直線距離で8kmほどの沢だ。標高差も1000mもある。形のよい滝や釜が続く美溪で知られる。林道は所々崩壊していたが歩行には支障なく最終堰堤まで導いてくれた。ただ湿度が高くみんな、汗まみれ。林道が川原に下りた地点で沢装束になる。林道は堰堤建設の時に通じたらしく、10数年前にはこの近くまで車で入れたという。
ゴーロの沢をわずかばかり進むと最初の滝。高さはないが美しい滑滝だ。先月私が下見で訪れた時より水量が多い。全員、流れの左脇を直登した。沢を進むと左右の枝沢にも幾つかの滝。どれも結構な高さのある個性的な姿ばかりで見栄えがする。
二つの深い釜が続く3m滝は右側をへつって越える。傍らにフィックスロープがあったがこれを頼りにするのは危うい。きれいな滑床も現われる。小石混じりのコンクリートのような岩質だ。おそらく火山灰が固まったのだろう。フリクションは良好だ。
下見の時に見つけた標高880mのテント場に到着。河原から1mほど上がった平坦な草原で、トチとサワグルミの幼樹が頭上を覆う最高の地だ。時間はたっぷりあるので、僕と中田でこの先の偵察に出かける。テント場からすぐの滑大滝は全員の直登は難しいと判断、巻きルートを探る。滝から少し前の急斜面に固定ロープを張った。
次の15m大滝は左側急斜面を巻くしかない。そのすぐ上の5m滑滝は増水気味。直登してみると上部が滑りそうで難しい。中田も同意見でここも明日は巻くことにした。そこで引き返し帰ると、他の3人が既にテント2張りを張り終え、たき火用の薪を集めていた。河原沿いの安全な空き地で、大橋さんが慣れた手つきで、たき火を起した。僕が携行した着火剤(ガムテープ)も役立ったようだ。濡れた身体に心地よいたき火を囲んでささやかな宴。山の話で大いに盛り上がった。
6日未明、シュラフに潜り込んでいるとテントを打つ雨音がしだした。天気予報より崩れるのが早い。4時に起き遅くとも6時に出発する予定だったが、待機して様子を見る。5時半頃、雨は小康状態に。空は明るい。行けるところまで行こうと決める。自分は残りたい、と言う大橋さんにテントの片付けをお願いして出発した。
予定通り最初の滑滝はロープを張った左岸巻きルートを上がる。泥上の急斜面でロープと小木をつかみながら全員登りきった。その際、鈴木さんが脇腹が痛いと訴える。聞けば夕べ水を汲もうとした際に河原で転んで肋骨を打ったらしい。急斜面を登るのがきついという。さらに、小雨が降り始め厚い雲が出始めた。そこで、15m大滝を見た所で全員下山することにした。結果的にこれが正解だった。
下山中、鈴木さんと俵谷の名の由来について話した。私は沢の岩壁や滑滝そのものが丸みを帯びて俵の形に見えるからだと思った。鈴木さんは俵に似た形の柱状節理の岩石があるからとするネット記事を見たと言う。
後で鈴木さんから、やはり谷の中流部に俵石という名の柱状の転石(流紋岩)が出ることは事実で、それが名の由来らしい、と知らされた。
最終堰堤で靴を履き替えた後、大きな雨粒が落ちてきて、雨具を着ける。小谷堂まで残り30分程のところからは雨脚が強くなり全身びしょ濡れとなった。
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