大垣山岳協会

中之岳~表妙義縦走 2013.09.22

妙義山

月報「わっぱ」 2013年10月(No.383)

【 個人山行 】 妙義山( 相馬岳 ( 1103.8 Ⅱ△ )) 林 旬子

  • 日程:2013年9月21日(土)~ 23日(日)
  • 参加者:L..丹生統、SL.西村洋、竹森せ、林旬子
  • 行程:
    • 9月21日(土) 大垣15:00=大垣IC=中央道=長野道=上信越道=松井田妙義IC=中之岳駐車場(泊・群馬県富岡市)
    • 9月22日(日) 中之岳登山口6:20-中之岳7:20-鷹戻し-女坂分岐8:50-ホッキリ9:20-相馬岳(1103.8 Ⅱ△)10:45~11:05-天狗岩11:40-大のぞき12:10-奥の院13:00-大の字13:30-妙義神社14:10=下仁田15:30
  • 地理院地図 2.5万図:松井田・南軽井沢

 奇岩、怪石で有名な上毛三山の妙義山。その最も長くて危険度が高いという中之岳神社~妙義神社縦走に参加する。ガイドブックによると槍穂高縦走の上の「最上級」とあった。不安と期待が混じる。

 前夜着いた中之岳駐車場で仮眠。22日朝、ハーネス、ヘルメットなど装備を整えスタート。天気はよさそうだ。急な階段をのぼって中之岳神社へ。山行の安全を祈願して手を合せた。その後も急な登りが続き、最初の鎖場のルンゼを慎重に登って稜線を右へ、足場の悪い岩場を行き、2段15mの鎖を伝って中之岳頂上に立つ。石の祠に手を合わせる。紅葉の時期には少しばかり早いがナナカマドの実がオレンジ色に色づいていた。そそり立つ岩肌にはイワヒバが張り付く。ホッとしたのも束の間、両側が切れ落ちた2段15mの岩場を下る。東岳を越えると2段25mの急な鎖を登り「鷹戻し」の頭。そこから、鎖・梯子と60m程の直下降(写真はその核心部)、スリルと緊張感の連続。のどはカラカラ、水分補給に忙しい。


 女坂分岐を左に分け、岩壁を鎖で15mほどトラバース、次の8mの外傾バンドを鎖で下ってホッキリに着く。裏妙義などの大展望が広がっている茨尾根のピークから急下降し、唯一の水場でのどを潤す。国民宿舎へ下る道を左に分け鞍部から登り返し表妙義の最高点である相馬岳の頂上に着いた。ドウダンは赤く染まり始め秋の気配が深まりつつあった。しばし緊張感のゆるんだホッとした時間。正面には平坦な頂上部と切り立った崖のある荒船山が横たわっていた。

 タルワキ沢のコルを過ぎ天狗岩を越えて滑り台状の30mの鎖場。ここは鎖に頼らずホールドだけで登りきった。そこにある「大のぞき」から足元を見下ろすと吸い込まれそうな高感度に足がすくむ。さらに直立4連30mなど多彩な鎖が続き、奥の院に下り立つ。石仏を祀る祠に先人の信仰の深さをうかがい知った。

 最後に「大の字」の鎖場を下り沢の水でほてった体を冷やして妙義神社へと下りた。

 本殿、総門、唐門が国指定重要文化財である妙義神社は1500年もの歴史がある。境内は掃き清められ、参道脇にはシュウカイドウのピンク色の花が静かに咲いていた。

 翌23日、宿を出発した時にはまずまずのお天気。内山峠へと向かう途中から雲行きが怪しくなり小雨に。やがて本格的な雨。ガス深く視界なし。予定の荒船山登山は中止となったが、充実感で充たされた表妙義縦走の余韻に浸りながら帰路についた。

<ルート図>

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