大垣山岳協会

三周ヶ岳倉の又谷沢登り 2015.07.26

三周ヶ岳

月報「わっぱ」 2015年8月(No.405)

【 月例山行・沢登り 】 三周ヶ岳 倉の又谷( 1292m Ⅰ△ ) 中田 英俊

  • 日程:2015年7月26日(日)
  • 参加者:L.中田英、他6名
  • 行程:大垣5:00=北陸自動車道長浜IC5:35=今庄IC6:40=広野ダム=岩谷登山口7:05~30-倉の又谷入渓7:50-滝8:15-高巻から沢復帰10:40-980m付近二俣11:50-県境稜線13:10-両組合流ピーク13:25~14:15-夜叉ヶ池14:45-登山口16:20=大垣18:40
  • 地理院地図 2.5万図:広野

 この日は気温が35度超の真夏日になるとの予報。広野林道終点の岩谷登山口に到着後、そびえたつ桂の大木に見守られ、我々沢登り組と登山道組それぞれ身支度を整え 出発。本日は沢コース、尾根コース同時山行。両パーティーが無線で連絡を取り合いながら三周ヶ岳で落ち会う予定だ。

 我々沢組はしばらく登山道を進んだのち標高560m付近から倉の又谷に入渓。一カ月程前に単独で下見に来た時より水量が多い。梅雨明け前後に降った大雨の名残だろう。気温が高いので、ザブザブと水の中を歩くのは冷たく心地よい。岩肌に咲くイワタバコの可憐な花にひかれる。尾根組はさぞかし暑い思いをしているだろう などと話しながら進んでいくと、10m弱のチョックストーンの滝に行く手をはばまれた。 水量もさることながら、まさに取りつく島もない岩壁だ。下見に来た時も登ることが出来ずに左岸から高巻いた。

 今回は前回とりついたルンゼの少し下流(手前)で取り付こうと私が一人偵察に登る。より、安全なコースと予感したのだ。しかし長雨の影響か足元が非常に悪く、ホールドも 殆どなく、セルフビレーをとるのが精いっぱい。後続には違う個所から高巻くように指示して、 私はそこから高巻くつもりで登り続けることに。しかしこれが大失態だった。ほっと胸をなでおろしている時、尾根組の衣斐さんから無線連絡が入った。三周ヶ岳にあと30分程で到着予定との事。 交信の後、下降点をさがし懸垂下降して沢に復帰した。この間約2時間経過。大きなタイムロスとなった。

 沢に復帰した後は快適に高度を稼ぐ。沢筋には今年の大雪による雪崩の影響か、大きな土砂崩れや、うるさいほどの倒木帯もあった。詰め上がった所から身動きが取れなくなる。どうしたものかと前後不覚の状態に 陥った。しばらくすると、少し下流から高巻いてきた丹生さんが上部に現われた。 私のもたもたしたザイルワークとは違い丹生さんがテキパキと支点を構築後、私を確保。危険個所 から脱出することができた。上部にも先行した仲間が構築したザイル確保の支点があり、 安全地帯に全員集まることが出来た。

 980m付近を右又にとったあたりにきれいな滝が出現。白い飛沫と青空のコントラストが美しい。やがて水が途絶え沢筋も立ってきた。県境稜線の手前でやぶ漕ぎに精を出していると「おーいっ」とのコール。先ほど衣斐さんから 三周ヶ岳登頂後、下山を開始するとの無線が入ったので尾根組が待っているのだろうか。

倉の又谷10m滝

 ササやぶを抜けると眼前に青空に包まれた奥美濃の山並みが広がった。飛び出した県境稜線の200mほど南にある小ピークに人影がある。そこから 再び「おーいっ!」のコール。やっぱり待っていてくれたのだ。ここから三周ヶ岳を目指すとさらに1時間のずれが生じると判断し断念。 尾根組の待つピークで互いの健闘を称えあう。長い時間待たせたことをお詫びし先に下山をしてもらう。

県境尾根のピークで。後方左端は三周ヶ岳

 短めの食事を済ませ、夜叉ヶ池経由で登山道をかけ降りる。登山口に到着すると、尾根組の成瀬さん差し入れの冷たいスイカが待っていた。塩をたっぷりと振り頬張るとそのおいしいこと。 今回の山行は私の判断ミスで皆さんに迷惑をかけてしまった。

「山は先生。また山に教えられたな」と言ってくれた丹生さんの言葉を胸に刻み込みたい。

<ルート図>

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