月報「わっぱ」 2013年7月(No.380)
【 一般山行(沢登り) 】 蛇谷沢・竜ケ岳 ( 1099.6m Ⅲ△ ) 平木 勤
- 日程:2013年6月2日(日)
- 参加者:L.中田英、佐竹良、丹生統、鈴木正、古林定、平木勤、衣斐剛、大橋辰、川合幸、柴田悦、小林和、林旬子、後藤正、(金山尾根コース)後藤友
- 行程:大垣6:00=宇賀渓駐車場6:50~7:15-五階滝8:15-一条滝(標高約700m遡渓終了地点)11:20~40-稜線12:00~20-中道出合12:30-竜ケ岳山頂12:55~13:45-金山尾根分岐14:15-宇賀渓駐車場16:00=大垣17:00
- 地理院地図 2.5万図:竜ヶ岳
やや遅出しだが、今年の干支に因んで竜ケ岳の蛇谷を遡行してきた。途中時間切れで登山道に上がったが、名のごとく細く曲がりくねったゴルジュが続きすばらしい渓谷美を見せてくれた。
宇賀渓の駐車場脇の受け付けで登山届けを出し入山料を支払った(1人200円)。入山料の徴収は最近始まったようだ。登山道の整備に当てられる。鈴鹿では毎年のように遭難が発生しており、救援対策の意味もあるらしい。宇賀渓でも数年前に登山道からの滑落死亡事故が起きた。
しばらく広々とした遊歩道を歩く。死亡事故後閉鎖されているホタガ谷登山道入口を過ぎて白竜吊り橋を渡ると登山道に入る。途中で金山尾根登山道を分ける。尾根を行く後藤友子さんとここで別れた。
登山道が蛇谷にかかる五階滝に出た所で入渓。僕は単独で2回来ているが何れも最初の滝は右から巻いた。佐竹さんは滝を直登するという。リーダーの中田君が確保。残るメンバーは二人の登攀をじっと見守った。二人とも登りきってお見事。佐竹さんはもちろんだが、最近クライミングで鍛えている中田君の成長振りには目を見張る。
その後も滝が続き登攀の練習を兼ねながら何度かロープを出して越えると岩に囲まれたゴルジュ。ここは以前より通過しやすくなっていた。その先のチョックストーンは岩の下を抜けられるが、先に行った仲間は気付かなかったようだ。僕と一緒にいた数人のみ岩潜りを楽しんだ。
両岸が切り立っていよいよ核心部に突入。まずは10mの直瀑。この滝はその上に4m、3mと続く3段になっている。左手にルートをとるのがセオリーで佐竹さんがそこを軽快に登ったあと、ロープで確保して数人が続く。僕はこの大部隊では滝の直登だけでは時間がかかり過ぎると判断し、リーダーの了解を得て巻きルートを探る。左ルンゼを登ったが下降が難しい。結局懸垂で沢に戻った。
その後も険しいゴルジュが続くが容易に高巻きできた。やがて、7mほどの二条滝を巻き、さらに小滝を幾つか越えて8m一条滝に出た。かつては優しい樹林に包まれて心休まるところだったが、今は左右の斜面が崩れてガレと倒木が流れを埋める。
想定時間をかなりオーバーしたので、ここで蛇谷と別れて右岸山腹に取り付き中道登山道に出ることにした。かつての蛇谷コースの登山道があったようで所々に目印があった。しかし道らしいところはなく滑りやすい急斜面を文字通り這うようにして登る。本日の核心部だ、という声も上がった。
平坦な尾根の上で沢靴から登山靴に履き替えて進むとすぐ中道登山道に出た。後は新緑の中の赤いヤマツツジの花を愛でながらのんびりと進んだ。笹原の中の登山道を登っていくと後藤さんが手を振って迎えてくれた。山頂で3時間も待っていてくれたそうだ。
山頂には若者のパーティーが多く華やかだった。また遭難救助訓練にいなべ市の消防団員約20人が登ってきていた。ボランティア精神による山岳訓練には頭が下がる思いだ。彼らにくれぐれも迷惑をかけないように登山をしたいものだと心に誓ってよく整備された金山尾根登山道を快調に降りた。
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