大垣山岳協会

龍王山 2012.01.18

龍王山

月報「わっぱ」 2012年2月(No.363)

【 週日山行 】 龍王山 ( 585.7m Ⅱ△ ) 村田 正春

  • 日程:2012年1月18日(水)
  • 参加者:村田正、藤井利、清水き、竹森せ、桐山美、岩田嘉、高橋美、森範宏、大城幸、大原和、加藤冨、犬飼芳、大杉す、在間琇、馬場昭
  • 行程:大垣5:59=桑名東IC=天理市トレイルセンター9:07~9:24-稜線(車道出合)11:00-北城跡11:26-藤井・田龍王社11:45-龍王山頂上(南城跡)11:55~12:55-崇神天皇陵14:10~14:23-天理市トレイルセンター14:30~14:55-18:30大垣
  • 地理院地図 2.5万図:桜井・初瀬

 新年初の週日山行には今年の干支である辰(龍)の字の付く山から選びたい。水田の国であるわが国には雨や水の守り神である龍や龍王にちなむ山は山とある。それらの中で深い歴史と眺望の良さで名高いこの山にした。

 登山ルートは幾つもあるが、登りは「長岳寺ルート」を選んだ。弘法大師開山と伝えられる名刹、長岳寺を右手に見て柿の果樹園脇を過ぎて山すそを登る。道は古くから歩かれV字形の溝のよう。フユイチゴの赤い実が色彩の乏しい冬の道筋を飾っていた。点在する石仏たちは長い年月風雨にさらされたためか、目鼻立ちが薄く消えかけていた。

 西に向かう尾根を登り切ると、東側の藤井町側から稜線上に通じている車道に出た。ここから北城跡を目指す。北へ向かって、日陰に新雪が残る道を上り下りして、スギやヒノキの木立の間をひと登りすると広々とした北城跡に達した。龍王山城は地方の豪族、十市遠忠が天文年間(16世紀中期)に築いた大和を代表する山城。南城と北城の二カ所に分かれながら連携融合して一つの城を形成する「別城一郭の構え」であった。西方への視界が開け、眼下に奈良盆地や金剛、生駒などの山稜を見ることが出来た。

 北城跡から途中、山名のもとになった藤井・田龍王社の祠の前を通り、南城跡のある龍王山の山頂に立った。公園のように整備された頂上広場からは広角全開の眺めに浴した。大和三山(香久、耳成、畝傍)が島のように浮かぶ奈良盆地の向こうに北から生駒山、信貴山、二上山、葛木山、など阪奈国境の山々が一望できた。遠くに雲のように浮かぶ六甲山地も確認できた。暖かい陽光が降りそそぎ、風もない山頂からの絶景を脳裏に焼き付け、山頂を辞した。

 下山は南側の谷筋沿いの「崇神コース」を通った。5,600基もの古墳があるという龍王山古墳群の間を抜け、最後に崇神天皇陵の濠の周りを巡り日本古代史の道を歩き終えた。

<ルート図>

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