大垣山岳協会

野谷荘司山、三方岩岳 2020.11.22

三方岩岳

月報「わっぱ」 2020年12月(No.469)

【 育成強化山行 】 野谷荘司山 ( 1797.2m Ⅱ△ )、三方岩岳 ( 1736m △なし ) 丹生 統司

  • 日程:2020年11月22日(日)
  • 参加者:L.丹生統、後藤正、田中恵、藤野一、村田美、山本知
  • 行程:岐建駐車場4:00=大窪登山口6:40-(鶴平新道)-三方岩岳分岐9:45-野谷荘司山10:00-三方岩岳分岐10:15-1704mピーク(昼食休憩)10:25~11:00-三方岩岳12:00~12:05-展望台・馬狩登山道分岐12:15~12:25-点名・横谷13:05-ホワイトロード馬狩料金所14:45=大窪登山口=大垣
  • 地理院地図 2.5万図:平瀬(金沢3-2)、新岩間温泉(同3-4)、中宮温泉(同3-3)、鳩谷(同3-1)

 この日、当初は大笠山の計画であったが、桂湖に至る境川道路が11月10日で冬季閉鎖されることを知った。やむなく野谷荘司~三方岩周回に切り替えた。

 大垣を午前4時に出発。東海北陸道松ノ木峠(標高1085m)を越えるので、雪を想定し車は冬タイヤに交換をお願いし、アイゼン持参も条件とした。馬狩から仰ぐ県境稜線は薄く雪化粧していた。この程度ならアイゼンは必要ないと思われたが万が一を考えて持参した。

 車を1台下山口の白山白川郷ホワイトロード馬狩料金所ゲートの駐車場にデポして出発した。鶴平新道は最初は緩やかだが徐々に傾斜を増して九十九折の道となった。足元はブナの落葉で埋まって木の根や小石を隠して歩き辛い。先日の雨で濡れており時々滑った。

 10分ほど歩いた所でダケカンバの根っこにキノコを見つけた。ナメコと判断して収穫した。更に30分ほど歩いたところでブナの根元に沢山のキノコを見つけた。収穫して持ち帰って調べるとクリタケのようであるが、妻の了解が貰えず結局食にありつけなかった。

 登り一辺倒で汗が止まらず一枚脱いだ。森林帯の中であるが風が強くて梢を揺らす音で山が唸っていた。対岸の猿ヶ馬場山の上には雲が有るが、その上は青空が広がっており北の方角は雲一つなかった。天気予報は雲が厚いと言っていたが嬉しい誤報であった。

 標高1450mを過ぎると風の勢いが強くガラ場ではバランスを崩さぬ注意が必要だった。尾根の北側は雪が着いておりスリップは命取りである。庄川が東側足下に蛇行し鳩谷ダムの湖水は緑がかったブルーでとてもきれいだ。その水面を上流から下流に向けて疾風が白い波を立てて吹き抜けているのが肉眼で確認できた。

 強風が体温を急激に奪って行くので、ヤッケを着て暴風対策をした。南の三方崩山は山頂部に厚い雲を乗せており白山へ続く尾根も頂稜部を隠していた。それが野谷荘司山の方に徐々に近づいているようだった。

正面の県境稜線に向かって鶴平新道を登る

 県境稜線に到着して左折し、2度ほどアップダウンを繰り返して野谷荘司山に着いた。山頂は南北に長く尾根の延長のようで正面に白山が厚い雲の下に見えた。東側は崖となって足下に庄川がうねっており西は灌木が有って視界を遮っていた。三角点の標石は中央に有った。風が強いのと三角点周りの地面が雪溶け跡でぬかるんでいた。長居は無用、早々に立ち去り県境稜線を三方岩岳へ向かった。

 鶴平新道分岐から北に県境稜線を下って登り返した日溜りで少し早いが昼食休憩とした。そこは風がなく晩秋の陽光がたっぷり注いでおり40分ほど長居をした。

 県境稜線の1704mの台地には馬狩荘司山の山名板が立ち木に括られていた。そこは大シラビソと思われる立ち枯れ木が有って白骨の林のようであった。三方岩岳の東面の岩壁が進むごとに大きくなり、その奥に秀麗な大笠山の山容が富士のように長い裾野を延ばしていた。

 三方岩岳の登山道脇の岩に環境省によるステンレス製の山名板がボルトで固定されていた。1736mのここが三方岩岳山頂である。三方岩隧道の石川側から遊歩道で登った高み1700mにはベンチが有り山頂の雰囲気が有るが、これは展望台で山頂ではない。

 展望台との分岐から岐阜側に斜面を下るとトラバース道に雪が有り凍っていた。氷は薄くストックで突くと直ぐ割れた。それをつま先やストックで払って横断した。アイゼンは使用しなかったが注意を要する個所であった。その後は安全地帯となって林の中を歩いた。

 途中で1586.3mの四等三角点、点名・横谷に寄った。標石はステンレス製であった。白谷を挟んだ南に今朝がた大汗を拭いて登った鶴平新道が見えた。向こうの尾根も急だがこちらはもっと急傾斜で下りコースに使ってよかったと頷き合った。しかしブナ林の急斜面は足元の枯葉が滑って転びやすく気が抜けなかった。急傾斜をドンドン下って行くと南に向きを変えて更に斜面を下ると廃林道に出た。足元の小石や枯草に気遣いして10分ほど歩き馬狩料金所ゲートについて登山は終了した。

<ルート図>

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