月報「わっぱ」 2012年4月(No.365)
【 週日山行 】 若須岳 ( 564.1m Ⅱ△ ) 矢良巣岳 ( 472.7m Ⅰ△ ) 村田 正春
- 日程:2012年3月15日(木)
- 参加者: 村田正、棚瀬慶、清水き、竹森せ、桐山美、岩田嘉、米山多、森範宏、大野単、大野益、大原和、加藤冨、犬飼芳、馬場昭、大杉す、外園ヤ、井上真
- 行程:大垣6:03=関ヶ原IC=武生IC=二階堂登山口8:45~9:05-上北谷(点名、Ⅲ△ 228.5m)-林道出合10:42-若須岳11:05~50-二階堂登山口13:15=基幹林道西部1号線駐車場14:10-矢良巣岳14:25~45-駐車場14:56~15:13=大垣
- 地理院地図 2.5万図:糠
福井県の越前海岸沿いに連なる丹生山地の2山を目指して走った。途中、強い降雪に見舞われ心配したが、北陸道に入ると、天気予報通り青空と陽光の好天に変わった。丹生山地の背骨辺りには広域基幹林道の西部1~3号線が通じていて、それを利用すれば苦労もなしに幾つかの山頂に登れる。ただ、今年は日本海側の豪雪により、まだ林道には深い雪が残り、通行は難しいらしい。そこで、若須岳には旧武生市二階堂町の昔からの登山口から登ることにした。
「若須岳遊歩道」の看板のある登山道は美しい孟宗竹林の中の階段から始まる。地面が掘り返され、小さな筍の皮が散乱。猪の仕業だろう。鋭い嗅覚は地中深くに早くも春の芽吹きをかぎつけたらしい。尾根の末端に上がると上北谷の三角点を見つけた。
なだらかな尾根道を上り下りしながら、ヒノキ、スギの植林帯を抜けるとコナラやアカマツの林に変わる。雪が消えたばかりで、まだ花は少ないが、ふと頭上を見上げるとマンサクの淡い黄色の花が数輪開いていた。やがて、右手の山肌が皆伐されて、正面に雪をかぶった若須岳の山頂が現れた。北東に見える真っ白な山々は浄法寺山や大日山などの加越国境の山だろうか。東には金草岳などの越美国境の山が望めた。
最低鞍部から急坂を登ると、深い雪に埋もれた基幹林道西部2号線に出た。林道から分かれ急な階段を手すりロープにつかまりながら登る。山頂は積雪5,60㌢。さほど広くないが、東屋や展望案内板があった(写真①)。三角点は雪の下だったが、Tさんが鋭い嗅覚で掘り当てた。なんと、本日が77歳の誕生日というTさんに音頭を取ってもらい万歳三唱。さらにみんなで「ハッピーバースデー」を歌い喜寿をお祝いした。西に日本海の海原と敦賀半島、北には城山や越知山の山々が浮かんでいた。
二階堂登山口に戻った後、車で海側に出て、こんどは基幹林道1号線に入った。道路脇に「府中馬借(西)街道」の看板が立っていた。
街道は江戸時代に府中・武生から畿内に通じる交通路の一つで、河野の港から敦賀まで船便が使えるので物資輸送路として栄えた。
「馬借」とは物資を運んだ業者のことで、街道には「馬の水飲み場」「馬荷直し道」などの遺構が残っているそうだ。
その街道変じて立派過ぎるほどの林道はたまたま山仕事のために業者が除雪した直後で雪はゼロ。矢良巣岳頂上直下まで車で行くのは少々気が引けるので、少し手前の駐車場に駐車。雪の斜面を急登寸刻。山頂ではやはり5,60㌢の雪。ここでも、Tさんが鼻をならして、一回り大きな1等三角点の標石を掘り当てた。山頂部の西端からは眼下にいぶし銀のように光る日本海が広がっていた。
今回の山行では1,2,3等の三角点一挙登頂という珍しい記録ができた。さらに、加えて4等三角点があったなら、それこそ「サイクル登山」となった。
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