大垣山岳協会

2024春山ミニ合宿・唐松岳、五龍岳(№1) 2024.05.03-04

五竜岳

【 一般山行(春山ミニ合宿) 】
唐松岳 ( Ⅱ等△ 2696m )、五龍岳 ( 2814m △なし )  長野県北安曇郡白馬村
NT

1日目 唐松岳編

 2024年春山ミニ合宿をNH.L以下12名の参加で5月3、4日両日に後立山唐松岳、五龍岳で行った。当初はテント泊の予定であったが唐松岳頂上山荘がGW中の営業を行う情報を得て小屋泊まりとした。両日とも快晴に恵まれ計画を予定通り遂行した報告である。

<ルート図>
  • 日程:2024年5月3日(金・祝)~4日(土・祝) 快晴
  • 参加者:L.NH、SL.HT、SL.NT、KM、KT、KF、SD、SK、NY、HM、MY、YC
  • 行程:後述
  • 地理院地図 2.5万図:白馬町・神城

5月3日(金・祝) 快晴

  • 八方駅8:51-唐松山荘13:10~25-唐松岳13:50-唐松山荘14:29(泊)

 八方駅から3台のゴンドラ、リフトを乗り継ぎ空中散歩を楽しんだ。左前方に後立山の盟主鹿島槍と五龍岳が聳え、五龍隊が下降路に予定の長い遠見尾根が見えている。50年ぶりのGW八方尾根だが当時と比べると雪が少ないという表現よりも全くない。

 八方池からの登山道に雪は無く大石と小石が入り混じって歩き辛く寝不足と高度も相まって足が重かった。前方に見える天狗ノ頭と不帰の岩峰群を見て辛さを忘れようとしたが、

 目の前に広がる白馬岳、杓子岳、鑓ヶ岳の白馬三山に連なる山々、絶景にしばし立ち尽くして息をのむ仲間達。

(NY提供)

 雪原となって足元の悪さから解放された。正面右から天狗ノ頭、不帰Ⅰ峰、中央の大きいのがⅡ峰、その左小さく峰が3ツ連続しているのがⅢ峰で唐松岳山頂はその左の黒い峰。

 五龍と下山路の遠見尾根を観察する仲間達。それにしても今年の雪不足は異常で雪面が長く続かない。我々はキックステップで通したがほとんどの登山者はアイゼンを装着、雪が途切れても着脱の面倒からかそのまま石の上を歩いていた。高価なアイゼンがもったいないが穂高や剱の冬山稜線歩きの練習と思えばいいのかもしれない。

 昭和49年の春合宿、白馬主稜、鑓ヶ岳北稜を経て挑んだ不帰Ⅱ峰東北壁(中央)が大きくなって見えて来た。当時の記録を読むとⅠ、Ⅱ峰間ルンゼの雪が朝の陽光でグサグサでアイゼンを着けたままグリセードで下り取り付いた。5泊6日の食料と宿泊装備を担いでの継続登攀をやり切って登山のページを1枚めくった気がした青春時代だった。

 白馬岳、杓子岳、鑓ヶ岳の北から繋がる白馬三山を眺めてスマホを構える仲間達。一抱えもある大きなダケカンバに魅了されてカメラを向けていると歩行がちっとも進まない。

 遠くから行く手を正面に見るとかなりの傾斜に思えてアイゼンを装着した。だが春の強い陽射しで雪はグサグサに緩み案ずるほどでもなかった。当会のメンバーはそれなりに奥美濃の山で急傾斜を登り下りしているからか他の登山者たちとは違っていた。

 若者との体力差はいかんともしがたくついて行けない。自分のペースで「遅れて歩く」旨を伝えるとSDちゃんが付き合うと言う。悲しいかな子供に手を惹かれる年になった。

 やっと唐松岳山頂が見えて尾根を行く人が青空に浮いている。残念かな、尾根の黒いハイ松が白い雪面だと人がもっと目立っていい絵になったかも・・・山荘は山頂手前のコルだ。先行する中田L以下の仲間が雪面に細長の点となって見えている。

 左雪田の上部を行く仲間達、五龍岳も大きく見えて縦走路が明瞭に確認出来る。雪田を抜けると黒部川を挟んだ対岸の剱岳、立山始め北ア峰々の絶景が待っているはずだ。

 仲間たちの姿は雪田から消えて乗越から山荘へ着いたと思われた。コルの先に唐松岳山頂部が見えて山頂下の雪田に人の隊列と青空に浮かんだ頂に幾つもの人影が確認出来た。

 主稜線乗越に立つと北ア北方から南へ続く名山が飛び込んで来た。あれが剱岳、立山、薬師岳、三俣蓮華、水晶岳と山座同定をしている登山者。

 乗越の直ぐ下に唐松岳頂上山荘が有って斜面を下ると黒部川、その先に薬師岳から立山、剱岳への主稜線がデーンと正面に見える。一番右の窪みは大窓で池平山の左の窪みは小窓で「小窓ノ王」も確認出来きて北ア最高の展望に大満足である。

 絶景の展望所である唐松岳頂上山荘、スタッフに先行する中田L達のことを尋ねると受付を済ませて山頂へ出発したとのこと、小休後に我々も山頂を目指すことにした。尾根に雪はほとんどなく有っても傾斜は緩く夏山と変わらない、飲み物のみ持っていくことに、

 山頂下の雪田で下山して来るNH.L以下の仲間達とすれ違った。彼等は早く下山してビールを飲むことを楽しみにしているようで引き返し「もう一度登ろう」とは言えなかった。

 山頂三角点石柱「点名・唐松谷Ⅱ等△」であるが成果状態が正常でない為に座標値等は公表を停止している。八方尾根の「点名・八方Ⅲ等△」も同様の停止状態である。槍ヶ岳も高妻山も停止中であるが石ころ基盤の為に盤石が安定していないのだろうか、

 山頂からの不帰の嶮、天狗ノ頭、白馬三山と北ア北方の山脈である。

 剱岳をバックに唐松岳山頂の仲間達である。

(NY提供)

 小生の遅足が原因で全員揃っての集合写真を撮ることが出来なかった。

 去りがたい山頂であった。剱から立山、薬師岳、三俣蓮華、双六岳へと南へ続く峰々を瞼に刻み焼き付けた。三俣蓮華の右後ろに黒部五郎の山頂部が覗いて双六の左に見えるのは水晶岳、正面五龍岳の遥か後方の三角錐は槍ヶ岳、その左に穂高が黒い山塊で確認出来た。

 山荘への帰り道、雷鳥が特異な鳴き声でカメラを向けるように誘う。モデル慣れしてポーズを決める雷鳥に仲間のシャッター音が谷間に響いた。各々写真に手応えを感じたようで自分の1枚を自我自讃、1番を譲らない。酒の肴の楽しみに山荘へ帰っての審査とした。

 小生が若者のペースについて行けず12名全員での山頂集合写真が撮れなかった。せめて山荘の絶景展望広場でと集合を掛け剱岳、五龍岳をバックに記念写真を撮った。

 山荘の食堂が談話室に解放されており早速懇親会となった。写真コンテストは自慢大会となって1番は決まらなかった。ビール500mlが¥800とは高過ぎと憤っても我慢出来ずに追加注文する意志薄弱な男たち。屈強女性が日本酒とワインを担ぎ上げており結果的に出費はソコソコで収まった。美酒に酔い美女にほろ酔いの懇親会であった。

 食事はハンバーグ+カレーライスで大変美味しかった。お代わり自由で有ったが早食いについて行けず小生が席を立った時には既に釜に飯粒は無くなっていた。

№2へ続く


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