大垣山岳協会

裏剱を眺めて夏山縦走 鹿島槍~五竜岳 №3 2021.07.23-25

鹿島槍ヶ岳
遠見尾根、白岳から唐松岳

【 夏山山行 】 7月25日 3日目
五竜山荘 ~ 白岳 ~ 遠見尾根 ~ 白馬五竜アルプス平 丹生 統司

  • 日程: 2021年7月23日~25日(金~日)
  • 参加者:L.中田英 SL.丹生統、大谷早、小栗敦、佐藤大、清水克、山本知、吉田千
  • 行程: 【3日目】7月25日(晴れ)  五竜山荘5:55-白岳6:05-大遠見7:35-小遠見8:40-地蔵の頭9:45-白馬五竜アルプス平10:00
  • 地理院地図 2.5万図:十字峡・神城

 山荘の朝食が美味しく今朝もお代わりをした。今日も晴天、上々の天気の中を下山出来そうだ。山荘には警備隊員が常駐しているようで白岳からの下降に岩場が有りストックを畳むようアドバイスを受けた。

 白岳へは40mほどの僅かな登りであるが朝食を欲張りすぎて身体が重かった。それでも早朝の澄んだ空気は新鮮で冷たくて下界で汚れた肺の洗浄をするのに十分だった。

 振り返るとコルに山荘が見えて背後に五竜岳が鳥が翼を広げたような山容で聳えていた。その左奥に鹿島槍ヶ岳も見えていた。

 白岳山頂には明治期旧農商務省の天端を丸く削った独特の標石が鎮座していた。北を見るとピラミダルな唐松岳が八方尾根の頭と吊り尾根で結ばれ双耳峰に見える。八方尾根は東に長大な尾根を延ばしており長野側の大黒沢から富山黒部側へはガスが吹き抜けていた。

 五竜の左肩の奥に昨日越えた鹿島槍ヶ岳が黒い岩肌を青空に浮かべていた。今日下山する我々への特別なサービスだろうか、早朝の空気が澄んだこの時だけの現象に時間を忘れてカメラを構えた。

 やがてガスが湧いて鹿島槍は隠れた。五竜岳の岩肌とシラタケ沢の雪渓を右に見て名残惜しく尾根を下った。所々の岩場に鎖が固定されていた。昨日越えたキレットの比ではないが早朝の岩は湿気を帯びて滑りやすく気は抜けなかった。

 ザレ場の急下降には木段が設置されており登山道はよく整備されていた。奥美濃のヤブ山で育った我々には至れり尽くせりで高速道路のように思えた。

 西遠見と書かれた標柱があり雪渓があった。格好のキャンプ地だなと思ったが幕営禁止の立札があった。これまでもキャンプ適地と思われる所には必ず禁止の立札があった。人気の山は住みづらい。

 大遠見山で三角点を捜そうと踏み跡を追ったが藪が濃くて諦めた。朝露でビショビショになりそうだった。柏原新道やこの尾根で遭難碑のケルンを幾つか見たが碑はもう少しひっそりした場所の方が・・

 小遠見の展望台、ここにも旧農商務省の主三角点があった。ガスが湧いて景色は見ることが出来なかったが続々と人が登って来て、長居は迷惑と短めの休憩で早めに腰を上げた。

 小遠見からは一段と道は整備が行き届き道幅も広くなった。薄紫色のギボウシの花とシモツケソウの淡い赤花に先導されて地蔵の頭に着いた。青空にはパラグライダーが舞い夏の高原を実感した。

 アルプス平と呼ばれる「テレキャビン」駅上の標高1500mの緩斜面は300種200万株の高山植物園となっており白馬周辺の高山植物が植樹されていた。特にコマクサは敷地面積も広く株数も多く変異の白花も有った。しかし我々が爺ヶ岳で見た濃いピンクの花には到底及ばないようであった。

 下山口の「テレキャビン」ゴンドラ駅の駐車場には回送業者によって我々の車が駐車してあった。駅の風呂で山の垢を流すと美男美女に戻り、一路家族の待つ大垣を目指した。2泊3日の山旅は天気に恵まれて無事に終わった。中田L他メンバーの皆様お疲れ様、良い山旅が出来ました。


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