大垣山岳協会

裏剱を眺めて夏山縦走 鹿島槍~五竜岳 №1 2021.07.23-25

鹿島槍ヶ岳
冷池山荘と鹿島槍

【夏山山行】 7月23日 1日目
扇沢 ~ 爺ヶ岳 ( 2670m Ⅲ△ ) ~ 冷池山荘 丹生 統司

<ルート図>
  • 日程: 2021年7月23日~25日(金~日)
  • 参加者: L.中田英 SL.丹生統、大谷早、小栗敦、佐藤大、清水克、山本知、吉田千
  • 行程:【1日目】7月23日(晴れ) 大垣発2:30=信濃大町扇沢出合登山口6:50-種池山荘10:30-爺ヶ岳12:10-冷乗越13:25-冷池山荘13:45
  • 地理院地図 2.5万図:十字峡・神城

 今日からオリンピックが始まる夜半の深夜2時半、北アの夏山行の為に大垣を出発した。中央道から長野道を経て信濃大町扇沢出合に着くと扇沢駅周辺の駐車場は既に満杯状態である。我々は下山口に車の回送を業者に依頼済みで苦労せずスタート地点の扇沢出合へ、ここで登山指導のチェックを受けた。

 谷沿いの道から九十九折に斜面を登ると登山道は尾根芯に上がらず直下のトラバースが続いた。樹間から谷を挟んで遥か下に扇沢駅が見えた。道は高木の日影が続き谷からは冷気が拭き上がって来るが、やはり夏山、汗は出てメガネが曇った。休息はザックを投げ出して思い思いに水分や栄養補給をした。

 道沿いにはハクサンシャクナゲが特に多かった。この後五竜岳までの稜線上や下山路の遠見尾根まで石楠花は白地に薄い赤色のこの花だった。

 道脇に花を見つけるとハクサンフウロ、ミヤキンポウゲ等、小さな引き出しを一杯に開き知っている花名をあげる。急な階段に差し掛かるとコバイケイソウの群落が現れしばし見とれた。赤い屋根の種池山荘とのコントラストが抜群にいい。疲れた身体に活を入れもう一頑張りして階段を登った。

 山荘前広場にザックを投げ出し長めの休息を取った。山荘はピザが名物なようで注文する登山客が多く好調なようだった。私の喉はビールを欲していたが先は長い自重した。

 今日の宿泊は爺ヶ岳を越えた先の冷池山荘である。まだまだ先は長い、先ずは爺ヶ岳を目指して県境稜線へ整備の行き届いた道を辿った。

 県境稜線に出ると黒部川を挟んで剱岳の東面、通称裏剱が黒い山塊の谷筋に豊富に雪を残していた。左から武蔵谷、平蔵谷、山頂直下の大きな雪田は下部を八ッ峰に邪魔され隠しているが長次郎谷上部である。八ッ峰の右に三ノ窓雪渓、その右が小窓雪渓だ。そして種池山荘が離れていく。

爺ヶ岳山頂を目指し進むが足元のクズ石が動いて歩き辛い、賽の河原を歩いているようだ。

 雲が長野側から湧き冷気を含んだ風が吹き抜けて心地よい、これぞ夏山!残雪で冷やされた空気を肺に一杯吸い込んで実感する。爺ヶ岳は三ツの峰からなり南峰の先に三角点のある中央峰、その先が北峰。

 爺ヶ岳南峰から下降中のザラ場に差し掛かった所で足元に想わぬ御褒美が待っていた。高山植物の女王コマクサがザラ場の斜面に群生していた。疲れが一瞬何処かに消えてしまうほどで興奮した女性陣の声が聞こえ、スマホで撮影する仲間たちがいた。

 爺ヶ岳中央峰山頂の柱石(点名・祖父岳 Ⅲ等三角点2669,93m)点の記を見れば撰定は明治40年5月19日所在は富山縣越中國中新川郡立山村字黒部谷と当時のままで更新されていない。遺跡の趣がある。 

本日の最高所で記念撮影。

 北峰は山頂によらず直下のハイ松帯をトラバースした。黒部川を挟んだ対岸の景色を見るとつい立ち止まりカメラを構えてしまう。岩と雪の剱岳は誰もが心惹かれる山である。

 長次郎谷雪渓を登って池ノ谷乗越から三ノ窓へ下り、小窓ノ王から小窓雪渓を下って下の廊下の水平歩道を歩いたのは2018年の8月だった。今日のメンバーのうち4人がその時を懐かしんだ。

 爺ヶ岳北峰から冷乗越(赤岩尾根分岐)への下りで見たタカネバラ(別名タカネイバラ)も綺麗だった。

 今夜の宿の冷池山荘がコルの崖上に見える。大冷沢北股本谷が県境稜線に突き上げているが長野側は崩壊を繰り返しているようで山荘もいずれ危うくなりそうだ。背後のガスが切れると、それと判る双耳峰が覗いた、鹿島槍!誰かが声を挙げた。

 コルから黒部川の樹林帯につけられた道を登って冷池山荘に着いた。山荘について間なしに雨粒が落ちて来た。ラッキーだった。

 山荘出入り口の目立つ所にコロナ禍での山小屋経営の厳しい現実とカンパの募金箱が設置してあった。せめて売り上げに協力をしようと「ビール」を注文した。500ml、1本目は山小屋への協力、2本目は今日頑張った自分へのご褒美である。我々8人に一部屋が宛がわれ気兼ねなしに過ごせた。誰かが子供の頃の修学旅行のようだと言った。疲れと酔いで何の話で盛り上がったのか記憶がない。横になって会話を聞いていたがいつの間にか眠っていた。

№2へ続く。


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