月報「わっぱ」 2023年10月(No.503)
【 一般山行 】 平家岳 ( 1441.5m Ⅱ△ ) OH
- 日程:2023年9月3日(日)(晴れ)
- 参加者:CL.MK、SL.NT、OH、ST、TM、TS、FT、FM、MY、MT、MM、YC、WK、体験山行1名
- 行程:中之江駐車場5:30=岐阜各務原IC=白鳥IC7:00=R157=箱ケ瀬橋=面谷橋=面谷鉱山跡駐車地7:30~7:50=日ノ谷分岐9:00=美濃平家分岐=井岸山11:25~11:30=平家岳11:50~12:45=駐車地点16:30~16:50=中之江駐車場19:20(解散)
- 地理院地図 2.5万図:平家岳(岐阜6-1)[北緯35°49′/東経136°43′]
厳しい暑さが峠を越える頃ではあるが、下界は今日も35℃超の猛暑予報。経験したことのないこの暑さ、今年限りの異常気象なのか、それともこれが「ニューノーマル」であって、これくらいの暑さは当たり前になってしまうのか。来年の夏もちょっと心配である。
平家岳は岐阜県と福井県に跨り、奥美濃の最奥部にある山。山名は俱利伽藍峠の戦いで敗れた平家一門が、この地に住み着いた伝承による。
早朝、参加者総勢14名が揃い、リーダーの挨拶が終ったあと、3台に分乗し登山口のある福井県大野市大谷の面谷鉱山跡地に車を走らせる。白鳥ICで降り、国道157号を西行。濃い霧が立ち込める九頭竜瑚に架かる「箱ケ瀬橋(夢の架け橋)」を渡り右折、湖岸を進み「面谷橋」を通過し左折、面谷林道へ入る。この林道は見たこともないダート。5km面谷川を遡り面谷鉱山跡地に到着。駐車スペースは7~8台。他に車は見られなかった。
支度をして平家岳の標識から草の生い茂った道に入り、涸れ沢と小さな谷川を越え登山道に入る。まずは稜線まで尾根を登っていく。九十九折になっているので登りやすく、一帯は針葉樹に広葉樹が混在する自然林で歩いていても実に心地よい。ヒノキの大木が立っている。小休止して写真を撮る。さらに急登が続く。
稜線上の日ノ谷分岐に辿り着く。平家岳と電源開発㈱巡視路標識があり、ここから巡視路を歩く。傾斜も緩やかになっていく。ほどなく突然視界が開け頭上を送電線が走っている。この展望は送電線の工事で周囲の樹木を伐採したためで、ここから平家岳山頂まで素晴らしい展望の中を歩くことになる。登山者には有り難いかもしれないが、大規模な森林破壊は地球温暖化の原因となっていることも忘れてはならない。
ほどなく№28鉄塔に出会う。目の前には荒島岳、銚子ヶ峰、別山、白山など両白山地の錚々たる山々が聳えている。暫し展望を楽しんだ後、№29鉄塔へ進む。途中ブナの大木に「山の神」の爪痕。この暑さでブナの実も凶作と聞く。道縁に咲くリンドウが急登の苦労を和ませてくれる。西方は伊吹山、金糞岳、三周ケ岳、冠山、能郷白山など奥美濃の全山が一望出来る。№30鉄塔に到着する。ここで初めて南方に平家岳が姿を現す。北方には御嶽山、乗鞍岳。緩やかな昇降を繰り返し№31鉄塔に到着。どっしりとした山容の平家岳の全容が見える。鉄塔から少し下ったところの日差しを遮るものがないヘリポート跡地で一本立てる。
一旦下って、井岸山への根張の急坂を上りに掛かると、左に美濃平家岳への分岐がある。ほどなく井岸山(1400m)に着く。アキアカネが群れ秋の風情。絵に描いたような平家岳への登山道が見える。20m下り胸突き八丁最後の上り。見た目より早く辿り着いた。
山頂は平で細長く、西側に二等三角点が設置されている。360°の大パノラマ。眼下に広がる重畳たる山並みに息を吞む。昼食休憩を取り、神々しく佇む白山を背景に記念撮影。圧巻の展望を堪能しピストンで下山する。
体調を崩された方が1名いたので予定時間を超えたが、全員無事に駐車地に辿り着いた。体調を崩された方は登りで完全に体力を消耗し、自分の足に力が入らないような状態になり、何度も何度も尻餅を搗き泥だらけになって歩を進めていた。Mさんはザックを背負い、Tさんはサポートをした。登った山は自分の足で降りるしかない。足を引きずって約4時間、彼は自分の意志と足で見事に歩き切った。
長い間気になっていた秘境の山「平家岳」は期待通りの山だった。暑さには閉口したが、秀逸な展望と長い尾根歩き、十二分に満喫した山行だった。連日の酷暑で体も心も疲れ果てていたが、おかげさまで元気を取り戻すことが出来た。リーダーそして参加者の皆様心よりお礼申し上げます。
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