大垣山岳協会

花を楽しみながらの平家岳 2019.06.02

平家岳

【一般山行】 平家岳(1441.5m) 丹生統司

  • 日程:2019年6月2日(日) 曇り
  • 参加者:L丹生統 他25名
  • 行程:大垣5:30-面谷駐車地8:05-日ノ谷道分岐9:20-美濃平家岳分岐11:13-井岸山11:37-平家岳11:54~13:05-日ノ谷道分岐14:58-面谷駐車地15:43

 当会の6月の一般山行は福井県の九頭竜湖の支流面谷川から鉄塔巡視路を利用して登る平家岳。出発前に現在地と標高を地形図で確認。昨年入会の参加者も多く、こうした基本を大切にすることを常態化して安全登山の啓蒙を図っていきたいと思う。

 このルートの名物大きな天然ヒノキ。このルートの反対岐阜板取側の尾根にもこのような大木が多い。

 稜線に登り切った日ノ谷道の分岐でもう一度地形図で現在地確認をした。そしてこの分岐では帰る面谷側5mほどの位置に赤布をつけて帰りの目印とした。赤布は帰りに必ず回収し残置しないことも徹底。

 29番鉄塔で休憩した。白山が豊富な残雪を纏って君臨、抜きんでて高く白く北陸の王様である。

 白骨の芸術に思わず振り返りカメラを向ける。そして足元や周りの花々に癒された。

チゴユリ
白ドウダンツツジ
笹ユリ
ヨウラクツツジ
シャクナゲ
更紗ドウダンツツジ
イワカガミ

 31番鉄塔に着くと行く手に井岸山と平家岳が見えた。これから32番鉄塔に向かい下降していく。

井岸山から見た平家岳、遠く見えるが意外に近く、落伍者もなく急斜面を登り切った。

 山頂への最後の急斜面を登る。後方に美濃平家岳1450mが見える。尾根の末端は岐阜県関市板取だ。

 この度入会された大橋友子さんの発声で万歳の後全員でおすまし顔。昼食の後簡易ハーネスやダブルフィッシャーマン結びによるシュリンゲの講習を行った。

 帰りに面谷鉱山跡で墓地や住居跡を見学した。天保3年大野藩は鉱山経営で逼迫していた藩の財政再建を果たした。その後明治21年現三菱マテリアルが近代経営を図り大規模鉱山となった。銅、亜鉛、石英を産出し集落は600戸3000人を数え、大野市に電気がない時代すでにここでは自家発電により電灯、電話、電信も開通し「穴馬銀座」といわれ、この斜面は嘗て隙間もないほどの建物で埋まっていた。

 大正7年スペインで発生した新インフルエンザが峡谷を襲った。一月に90余名の死者を出し鉱山経営は窮地に立った。その後再開されるも嘗ての繁栄を取り戻すことなく銅価格の下落で大正11年閉山した。

 今日も無事に終わりホット一息、入会間もない方の出席率が高く嬉しく思う。山行は花でも山名でも技術でも何か一つ取得して帰っていただくと山登りは楽しくなる。山キチの仲間でワイワイガヤガヤ足元の山野草の名をあてっこするのも楽しい。心配された天気は何とかもって悪路を早々に退散した。

<ルート図>

ルート図

コメント