大垣山岳協会

平家岳 2015.08.05

平家岳

月報「わっぱ」 2015年9月(No.406)

【 週日山行 】 平家岳( 1441.5m Ⅱ△ ) 林 旬子

  • 日程:2015年8月5日(水)
  • 参加者:L.丹生統、他7名
  • 行程:大垣5:00=東海北陸道白鳥IC=九頭竜ダム箱ヶ瀬橋=面谷林道=平家岳登山口6:45~7:00-日ノ谷分岐8:05-鉄塔巡視路分岐10:10-井岸山10:30-平家岳10:50~11:40-日ノ谷分岐13:35-登山口14:25=大垣
  • 地理院地図 2.5万図:平家岳

 平家岳は岐阜と福井の県境尾根に接する福井側にある。山名は越中、加賀国境の倶利伽羅峠の戦いに敗れた平家軍の一部が山中に潜んだとの伝承に由来するという。猛暑続きで熱中症が心配される。山行はリーダーの「各自2?以上の水を持つように」との言葉からスタートした。

 荒れた面谷(おもたに)林道を進むと、面谷沿いに明治末から大正末にかけて銅の産出で栄えた面谷鉱山の跡が現われる。最盛期で600戸3000人の鉱山人夫の集落跡。雑草の中に傾く墓石に繁栄と衰亡の歴史を思い、もの悲しさも感じる。

 平家岳登山口と書かれた標識がある広場に駐車。アブのお出迎えを受けながら雑草が茂る道を進み枯れた沢を渡り急なヤセ尾根に取りつく。噴き出す汗を拭いながら一歩一歩高度を上げる。沢の音が小さくなるとアカゲラのドラミング。この暑さにもめげず、ウグイスもさえずる。深緑の雑木林にオオカメノキの真っ赤な実が一際ひきたって見える。

 ヒノキの大木を過ぎ傾斜が緩くなると日ノ谷分岐、左に折れ雑木林の気持ちいい山腹のトラバース道。たくましいカツラの木やひっそり咲くホトトギスの花。

 北へ延びる主稜線にでると、送電鉄塔が頭上に並行する。鉄塔工事のために伐採された木の切り株がまるでオブジェのように点在し、芸術作品のようでもある。強い日差しを浴びながら登るとあちらこちらにノギランの残花、オトギリソウの小さな黄色の花も咲いていた。

 31番鉄塔の先から井岸山と平家岳の全容が見える。尾根道を北上し美濃平家への鉄塔巡視路を左に分ける。この送電線は板取・川浦谷に下る電源開発の長野関線だ。

井岸山から平家岳頂上へ続く登山道

 平家岳山頂は遮るものがないのだが、今日は遠くの山々は霞んでいた。週日山行デビューの成瀬さんと私の二人の音頭で万歳三唱。岐阜県側から吹き上がる心地よい風を受けて昼食をとるが、照りつける日差しは強く予定を少し早めて下山の途についた。

 登山口では成瀬さん収穫の甘いスイカをほおばり、ほてる身体を冷やすことができた。尾根筋を登りきると、標高1400mの井岸山の山頂標識が県境杭の側らに立つ。平家岳への最後の登り、ササ原の側らにはカライトソウやギボシがかろうじて花を咲かせていた。

<ルート図>

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