大垣山岳協会

草原とブナが魅力・ブンゲン 2022.09.25 

ブンゲン

【 一般山行 】 ブンゲン ( 1259.7m Ⅲ△ ) 丹生 統司

 当会9月の一般山行は岐阜・滋賀県境の山、ブンゲンで行われた。品又峠から尾根沿いに延びる草原とまばらに残されたブナとの調和に魅せられた報告である。

<ルート図>
  • 日程:2022年9月25日(日) 晴れ
  • 参加者:L.林旬、SL.丹生統、安藤正、岩田嘉、大谷早、小倉繁、小倉幹、桐山美、柴田悦、清水友、高橋文、田中恵、竹森せ、成瀬八、藤井利、藤井真、藤野一、村田美、宮川祐、宮澤健、三輪唯、桃瀬日、山本知、塩川眞(体験)、佐藤大(沢)、中田英(沢)
  • 行程:品又谷林道ゲート8:25-品又峠9:05-ブンゲン山頂10:50~11:55-品又谷林道ゲート13:55
  • 地理院地図 2.5万図:横山

 貝月山ふれあいの森ルートと岐かれて品又川谷沿いの廃林道に入る。この夏の連日の雨のせいで道路を水が流れており舗装の上に苔が生えて滑りそうでこわごわ歩いた。

 品又峠からはゲレンデコースの上を歩いた。花崗岩質の砂地は風雨に弱く脆く流されており、凹凸が激しくて場所によっては大きく溝状にえぐられて歩き辛かった。

 滋賀県側の奥伊吹スキー場からけたたましいエンジン音が風に乗って聞こえて来た。夏はモーターパークに衣替えしてドリフト走行の公認競技場になっているようだ。背後に見えるのは金糞岳だろうか?

 急登が終わると傾斜が落ちた草原となって風が吹き抜けている休憩好ポイント、ヤレヤレ腰を延ばす。体験参加のSさんは地形図の勉強に余念がなくザックには15㎏の負荷をかけていた。会員にはいい刺激をいただいた。

 スキーのゲレンデコースに切り開かれた浅い谷は花崗岩の大岩が幾つか点在した草原となって、ここも風が吹き抜け心地良かった。透き通った谷水が瀬音を発てて流れており唱歌を口ずさみたくなるような所だった。

 所々に猛毒トリカブトの花があった。「ブス」という言葉はトリカブトの毒で神経が侵され顔の表情がこわばりおかしくなった症状を指す表現だったそうである。

 白山山系に代表されるブナ林はミズナラ等と共に梢や枝葉が空を隠して林床は暗いイメージがある。ブンゲン斜面の草原に点在する大きなブナはまばらで、この調和が好きだ。

 ゴルフ場のグリーンに林立しているような明るいブナの林、爽やかな風が通り抜けており、ハンモックを吊るして読書や昼寝をして一日を過ごしたい気分にさせられる。

 奥伊吹スキー場天狗岩コースのリフト終点が見えて来た。あれを越えれば小さな起伏の四ツ目が山頂だ。今日は24名の大部隊乍ら不調を訴えるものは無く全員快調だ。

 本日の参加者で80代は5名、最高齢は86才の岩田さんである。山登りが継続出来る秘訣は雨の日も雪の日も早朝散歩を欠かさないこと。登山は生涯スポーツを実践中である。

 ザックの膨らみが日帰り山行にしては大きい方が何名かいるのに気付いた。聞けば次回の槍ヶ岳を想定しテントなど宿泊装備を入れていた。良い心掛けだ。体験参加者のSさんは15㎏量っての参加でストックも使用していない。頼もしい仲間が増えそうだ。

 山頂が近くなって青空が覗いてきたが夏の雲とは少し違っていた。台風が去って朝晩が涼しくなった。丈の低い笹原にススキが穂を出しており秋が近くに来ていると感じた。

 ブンゲン山頂が見えてその奥に伊吹山が山頂一部を雲に隠していた。左側、東の竹屋谷からソバズルとダイスケが登ってきているはずでコールを送るが返事はなかった。

 山頂着、点名・大岩谷(Ⅲ等△1259.7m)我が会指定の美濃百山B級である。山頂には伊吹山から来たという若者が一人居た。狭い山頂を大勢で賑わして申し訳ないと思った。

 26名が昼食休憩を過ごすには少し狭い山頂だが竹屋谷からの沢登り組を食事をしながら待つことにした。やがて鈴の音と共にソバズルとダイスケが現れた。

 全員が揃ったところで登頂記念の写真を撮った。当初は30名もの参加申し込みが有ってリーダーは大変だったと思われる。体験山行のSさんは大所帯で賑やかな山行に驚いたことだろう。しかし、我が会の雰囲気を知るには大勢の方と交われて良かったと思う。入会の意志も確認、また頼もしい新しい仲間が増えた。完


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