大垣山岳協会

里山の深雪にギブアップ寸前・烏帽子岳 2022.02.23

烏帽子岳

【 個人山行 】 烏帽子岳 ( 864.8m Ⅲ等△ ) 丹生 統司

 ソバズルから2月23日に「伊吹山の北のある山に行こう」と誘いが来た。この頃彼との個人山行もご無沙汰であるのでうれしい誘いである。しかし関ケ原は連日降雪で伊吹山等北の山は相当量の新雪で覆われており日帰り山行は難しい。登山口の駐車場所捜しも大変である。鈴鹿なら雪も少ないだろうと変更を提案、上石津町時の烏帽子岳なら駐車場付きの里山で有り標高から楽に登れるだろうと意見が一致した。

<ルート図>
  • 日程:2022年2月23日(水) 雪時々曇り
  • 参加者:中田英、丹生統、三輪唯
  • 行程:細野登山口8:30-烏帽子岳山頂11:35~12:30-細野登山口13:55
  • 地理院地図 2.5万図:篠立

 いざ、出立する段になって1名がワカンを忘れている事に気付く、1名はワカンの紐が無いと大騒ぎしたが荷台の隅で発見した。高齢者のチームはすんなりスタートできない。

 鈴鹿の里山なら雪は少ないと思ったが予想以上に積雪は有った。しかし登山道沿いに歩けば根雪が踏まれて固くルートを外さねば歩きやすかった。

 ワカンを忘れた1名はツボ足である。自己責任を感じてか泣きごとを言わずについて来た。

 登山口からそれほど歩かない所で小生が体調不良、先日の伊吹山上平寺でのラッセル時と同じ症状で辛くザックを降ろして座り込んだ。しばらく休むと楽になって登山を継続したがソバズルは心配そうに付き添っていた。これでは任せられないと思ったのか以後のラッセルは彼の独り舞台となって奮闘が続いた。

 やがてヒサカキ等の小木の照葉樹が枝一杯に冠雪して右に左に幹を傾けて行く手を遮った。又雪下に埋もれた小木が深い落とし穴を仕掛けておりルートは千鳥状に迂回を強いられた。

 標高を稼ぐごとに傾斜も強まって雪も深くなった。新雪の下に埋もれ踏まれて固くなった夏道沿いの根雪をストックで捜すが全く分からず雪山の常道で急斜面を直登した。

 急斜面の雪は一度足場を踏み抜き壊すと雪面は壁をつくり抵抗した。胸の高さの雪壁に果敢に挑むソバズルだが息は荒い「代わろうか」声を掛けたが返事をしてくれない。取り付きでの醜態を見て「任せられぬ」と思ったのだろう。

 帰宅後にGPSの軌跡を確認すると標高700mで夏道が左右に分岐しているが我々はその20m下から中央を約100m直登していた。樹木が多く雪崩の危険は感じなかったが木々が無ければこの急傾斜と50㎝ほどの新雪では危なくてルートとして使えなかった。

 それを抜けると尾根筋に出て傾斜は落ちた。風に飛ばされたのか積雪は浅くなり歩きやすくなったが疲労を感じて山頂までが遠く感じた。時折雲が切れて眼下にいなべ市藤原町の田畑や民家が白く化粧しているのが見えた。

 山頂に着くと時山バンガローコースからだろうか踏み跡があった。今日の深雪では我々だけと思っていたので少し気を削がれた。山頂の南斜面で休んでいると3人登って来た。やはり時山バンガローコースからだった。冬はあちらが人気コースなのだろうか。

 帰る頃に雲が切れて眼下に細野の集落が見えたが遠くの景色は全く見えなかった。急傾斜の下降ではそれぞれ何度か転び、尻もちをつき、時に落とし穴の深みに胸まで嵌まって脱出に苦労している姿が滑稽で笑いを提供した。

 昨日は20㎝の積雪で玄関先と駐車場の除雪をして準備万端今朝を迎えた、が再び10㎝の積雪に車の雪を除けて先ずエンジンをかけてフロントガラスを温めている間に玄関先を除雪した。近所の手前遊びに出かける前にはやることはやっている。そしてポットの湯を車のフロントガラスにかけて解凍し出発となる。早朝の道路は圧雪されて凍結しており緊張して集合場所に向かう。

 今年は忘れていた雪国の生活が戻って来た。例年の貧雪を嘆き過ぎたせいかもしれない。完

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