【 個人山行 】 雷倉北東尾根(1168.6mⅡ等△点名・矢谷) 丹生統司
- 日程:2018年3月10日(土)
- 参加者:柴田悦、林旬子、大谷早、丹生統
- 行程:根尾八谷集会所6:30-下津谷渡渉7:10-林道着9:35-雷倉山頂11:05~12:05-中又谷鉄橋14:35-根尾八谷集会所着14:55
実は伊吹弥高尾根を計画していたが先日来の好天や春の嵐ですっかり雪がなくなった。雷倉の北面なら雪が残っているだろうと根尾八谷集落を訪れた。雷倉北東尾根とは中又谷と下津谷に挟まれた尾根である。地形図のみでルートを決めたので道が整備されているとは知らず登山口の標識に少し戸惑った。
水路に沿って歩き中又谷出合を過ぎて堰堤に突き当たる。左の斜面に踏み跡と赤布があり導かれて堰堤の上に降り立った。女性陣に鉄橋があるはずと教えられ上流の様子を伺うもそれらしい道もない。どうやら堰堤下で見落としたようだが、はなから道など当てにしていない。目指す尾根は目の前、沢の浅瀬を捜し渡渉した。冬靴にスパッツなら素早く渡れば靴下を濡らすことはない。尾根に出て獣道を辿ると堰堤下から来る道に出た。やはり堰堤下に鉄の橋があるのだ、帰りは雪解け水を避けて利用しょう。
昨日までの雨で土の斜面が凍っており帰りはアイゼンの助けが必要だと思った。雪もカチカチで硬く結構な急斜面、これは温度が上がらねば帰りは難儀だと言い聞かせた。岩場に差し掛かると雪が一部氷化しておりストックを仕舞いアイゼン着用とピッケルの使用を指示した。
岩場とその上の雪の斜面はかなりの急傾斜でしかも堅雪でアイゼンの爪がよく効いた。昨日までの春の嵐と夜間の冷え込みがカチコチの難儀な約100mの急斜面を造った。帰りは油断できない、スリップは命取りで死の滑り台になりかねない。
急斜面を終えるとピッケルから再びストックへ替える。緊張から解き放たれてホット一息、なだらかな尾根に出ると山頂が見えた。温度は低いが青空の下で春山遊歩。
標高890mで林道を跨ぐ、風を避けて岩場の陽だまりで休息、振り返れば能郷白山が右手後方にある。もう山頂は指呼の間だ。背後に屏風山が、特徴的な正三角形の頂は何処から見ても容姿が変わらない。標高1100mから約50mの急斜面を登り、旧藤橋村との境界稜線に立つと景色が一変、白い花が咲いた。
能郷白山はやはり大きくて近辺の山々の盟主だ。4月に計画しているが雪よそのまま残っていてくれよ。
屏風山の背後に加賀白山が見え、写真では写せなかったが穂高、乗鞍、御岳山が見えていた。コンドルが翼を開く瞬間のような花房山、奥左から伊吹山、国見岳、ブンゲン、貝月山、右後ろは金糞岳、春の嵐が去った後のご褒美か、偶然のプレゼントに一同感動して満開の白い並木道を行く。
山頂に着くと、真新しい山名坂が覗いており(カミナリクラ)とルビが打たれていた。加賀白山や石徹白の山々、穂高、乗鞍、御岳、中央アルプス、360°の大展望を4人で独占した。
大展望を楽しんだら感謝を込めて万歳、自分の健康と今日の苦楽を共にした素晴らしい仲間たち、そしてこのフィールドを提供してくれた素晴らしい地球に感謝して万歳。
下山は2か所の急傾斜地が問題だ、温度が上がらず雪は硬いままだったがピッケルとアイゼンのコンビネーションで慎重に下った。全員素直に指示に従ってくれて思ったよりスムーズに下れた。登りに見落とした橋も発見し、間違った箇所も確認できた。いい仲間といい山に登れた。
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