大垣山岳協会

高度計の誤差を知ろう

TOPICS・随想・コラム

高度計の誤差を知ろう 鈴木 正昭

 1月初めに木曽上松の低山山行中のことだ。加瀬木山(1113m)を経て、長尾(点名・1310m)から鳥捕山に向おうとして、長尾の一つ先にある尾根分岐を左折する予定が長尾山頂から小尾根を下る失態を侵した。ミスの原因として腕時計に搭載の高度計(スントCORE)の誤差を見逃したことが大きい。

 スントCOREの高度計は他のメーカー品と同じく、気圧計の数値を高度に換算して数値を出している。同じ位置でも気圧が下がると高度数値は上がる。気圧が上がれば、高度値は下がる。概数だが、1hpaで9m上下する計算だ。加瀬木山で高度値を入力してからほぼ4時間の間に気圧が数hpa下がったらしい。気圧変動の高度値への関連はぼんやり知ってはいたが、認識度に欠けていた。

 三角点のある加瀬木山山頂で高度数値を再入力したので、当分正確だと思いこんだ。途中で予想以上に高度値が増して、1400m近くになる。もう曲がるべき尾根分岐に着くはずなのに、と焦った。小ピーク(後で「長尾」と判明)に上がると分岐尾根と同じ方角に下る小尾根があった。これを下ったのが間違いだった。急な谷筋から林道に出て事なきを得たが、高度計値の誤差問題は放置できない。

 高度計の測定値の正確度を上げるには地図上に高度表記のある三角点や標高点でその都度、正確な数値を入力する必要がある。それら高度表示地点のないコースではどうするか。天候の変化に伴う気圧の変動を知る必要がある。多機能腕時計は気圧計も搭載している。山行中の気圧変動の概数を計測して、その数値により高度計値を自分で修正推測をする。面倒だが、そうしないと危ない。特に天候の急変時には注意しよう。気圧から高度値への換算には気温変化や季節の要素も加わり、不鮮明な側面もあるという。時に、ある程度の誤差は生じる。その認識も大切だろう。

 最新の多機能腕時計にはGPSによる高度表示ができるものも多い。誤差は皆無らしいが、高価でもある。私の登山作法からは遠慮したい思っている。

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