月報「わっぱ」 2017年3月(No.424)
【 一般山行(初級冬山) 】 烏帽子山 ( 1242.2m Ⅲ△ ) 小林 和雄
- 日程:2017年2月18日(土) ~ 19日(日)
- 参加者:L.丹生統、SL.中田英、西村洋、竹森せ、大橋辰、後藤正、林旬子、柴田悦、成瀬徳、衣斐剛、北川洋、清水克、小林和
- 行程:
- 18日(土) 大垣6:00=藤橋道の駅6:40=夜叉姫神社駐車地7:30~8:00-バイクランド9:25-椀戸谷出合10:15-尾根取り付き11:20-テント場(廃林道上)13:30
- 19日(日) テント場6:40-JCTピーク(約1170m)8:45-烏帽子山9:20-テント場11:50~12:40-尾根取り付き点13:20-椀戸谷出合14:10-駐車地16:10
- 地理院地図 2.5万図:美濃川上、広野
18日、前日の強い雨がウソのような青空ののぞく早朝、藤橋道の駅で全員合流して共同装備の分配。坂内川上から坂内川沿いの林道に入ってすぐの神社脇に駐車した。今年は近年では多雪のようで、除雪はこの先のイビデン発電所近くで終わっている。
丹生リーダーから椀戸谷出合までの林道には斜面からの雪崩箇所があるので、慎重に素早く通過しようとの指示があった。輪かんを着けて出発。椀戸谷入口にあるイビデン神岳ダムの左岸斜面は絶壁が続く。上部からの全層雪崩によるデブリが林道上に急な屋根のように堆積、その上をトラバース。4㎞の林道歩きに2時間半もかかる。
椀戸谷に入り廃林道をしばらく進み標高615m辺りでスギ林の急斜面に取り付く。積雪1mほど。高度約150mの急登をあえぎながら越えるとなだらかな痩せ尾根となる。前方にテント場となる旧王子林道跡が見え、その上に主稜線が見えた。
林道跡はまだ広い平地を維持していて、テント場の最適地。大型テント3張りが余裕で設営できた。テント場設営中に中田、後藤さんが明日の難場の一つ、ここから主稜線の頭までトレースを付けに出かけた。夜のテント内では手料理と歌と談論で盛り上がった。外では雪交じりの強風が吹き騒いでいた。
19日朝、テントを出ると風はない、そんなに寒くない、好天のようだ。リーダーからピッケル必携の確認があった。滑落の危険性を考えれば、当然のことだろう。昨日中田さんらが付けたトレースはまだ残っていて、難所だが、迷わずに主尾根の頭に出ることができた。すると、東に蕎麦粒山山頂部が浮かび、やがて背後からのご来光を拝した。980m峰を越すと、前方に烏帽子山の三角錐、左に連なる尾根の奥に本日、登る予定の高丸の銀峰が目に入った。
突然、後方から「あーっ。雪崩だ」の声。烏帽子正面の雪面の亀裂から雪塊が落ちるのが見えた。朝早い時間になぜ雪崩れたのか不思議だが、冬山の怖さを知らされた。
Jctピークを越えると、厳冬期らしい厳しさに出合う。北の小茂津谷側から強い北風が吹き付けて、木々は霧氷に包まれている。最後の難関、烏帽子山直前の急登では左側の樹林の中を登る。雪面は固い。全員、ピッケルを使い、キックステップを効かして登り切る。
山頂には薄いガスがたちこめ、眺望は明確ではなかった。下山では輪かんからアイゼンに替えるようにリーダーから指示がでた。鞍部に降り立ち休憩する。このペースだと、高丸登頂は時間的に無理なので断念する、とリーダーが告げた。
Jctピークに着くと諦めた高丸の姿がすぐ届きそうな位置にある。みんな、立ち止まってしばらく見入っていた。
以後、順調に下り、林道にある3箇所ほどの雪崩デブリ帯を無事に通過できた。
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