月報「わっぱ」 2023年1月(No.494)
【 一般山行 】 烏帽子山 ( 1242.2m Ⅲ△ ) 後藤 正雄
- 日程:2022年11月27日(日)(曇りのち晴れ)
- 参加者:L.後藤正、内牧真、酒井康、清水克、中田英、山本知
- 行程:中之江駐車場4:30=神岳ダム椀戸谷林道駐車地5:45~6:05-入渓6:40-760m二俣7:20-910m沢靴履替え7:55~8:10-平8:30-稜線鞍部9:25~9:35-烏帽子山10:55~11:30-椀戸谷林道(入渓地)15:00-駐車地15:40=大垣17:10(解散)
- 地理院地図 2.5万図:美濃川上(岐阜11-3) 、広野(同10-4)
日も短くなりつつある晩秋、奥美濃の烏帽子山に登ってきた。今年最後の沢登りと久しぶりの藪漕ぎを十分に楽しんだ1日となった。
大垣を4:30に出発、道の駅「夜叉ヶ池のさとさかうち」で休憩をはさみ、坂内川上から夜叉ケ池へ続く林道池ノ又線へ入った。イビデン神岳ダムを過ぎた橋の手前に駐車する。夜叉ヶ池に通じるこの林道はすでに冬季通行止めとなり、我々のほか通り過ぎる車はない。漆黒の闇のなか、車のライトを頼りに沢装備を身にまとった。
ヘッドライトを灯し椀戸谷林道に入る。ところどころ崩落跡があり荒れていたが危険なところはない。徐々に空も明るくなりライトを消した。35分ほどで椀戸谷をUターンする橋に到着。橋の袂から入渓する。右岸から左岸、また右岸と渡渉を繰り返す。ここ数日雨が降っていないためか水量は少なく、足首程度しか濡れることはない。また、冷たさもあまり感じられない。とはいえ、冬も目前ということでなるべく沢岸の歩きやすそうなルートを辿っていった。
沢には滝らしいものがほとんどなかった。760m二俣で左俣に4mほどの滝があったが、我々はそれを横目に右俣へ進む。徐々に傾斜もきつくなってきた。900mを過ぎたあたりで枯れ沢となり、登山靴に履き替え沢靴をデポした。
沢筋から少し右にそれショートカットをもくろんだが結局は沢筋に戻ることとなる。急斜面を越えると平に出た。名の通り起伏もほとんどなく、背丈を越えた笹藪がひろがる場所だ。藪の間から稜線の鞍部を確認し、コンパスを頼りに笹藪をかきわける。所々藪の薄いところはあるものの、すぐ濃い藪に覆われる。数メートル離れただけでメンバーの姿も見失う。最後尾の清水さんに赤布をこまめにつけてもらいながら、隊列を崩さぬように進む。
平を抜け徐々に傾斜がきつくなってくる。先頭を交代しながら歩みを進める。稜線に出ると冷たい風が通り抜ける。快晴の天気予報ではあったが、奥美濃では雲が垂れ込めたすっきりとしない空模様だ。
針路を北東に変え、南東尾根が伸びているジャンクションピークに向かう。その向こうには烏帽子山が見える。鞍部を過ぎ、烏帽子山へ登り返す。藪が薄いところを辿っていくも、頂上に近づくにつれ藪は濃くなるばかり。後は何も考えず高みに向かいひたすら藪を漕いでいくだけだ。
傾斜もゆるくなったところで視界が開けた。ようやく烏帽子山山頂だ。山名板などない。三角点の周りに少し刈り込まれた空間があるだけだ。頂から千回沢山、不動山が見える。どちらも奥美濃C級の山、簡単には登ることができない山々だ。内牧さんの発声で万歳三唱。激藪経験が初めてのメンバーも多く気合の入ったものであった。
下山は登ってきたルートを外さないように降りていく。とはいえ、激藪のこと、ルートを見つけることも容易ではない、こまめにつけてきたはずの赤布を見失い、そして見つけ出すの繰り返し。ただ、赤布がなければルートファインディングにかなり手こずり時間もかかっていたであろう。平を過ぎ、椀戸谷源頭の沢靴デポ地点まで戻ってきた。時刻は13時40分、後は沢を降りていくだけ。なんとか日没前には下山ができる見通しがつき安堵した。
烏帽子の藪はかなりしんどいと聞いていた。重ねて、晩秋の時期となり行動可能時間も短いため、撤退時刻も想定をしていた。しかし、結果は計画よりかなり早く下山できた。ひとえにメンバーの協力があったことに尽きる。
今回の山行で藪漕ぎが初めてのメンバーも自信がついたのではないかと思う。今回参加できなかった皆さんもぜひ藪山の楽しさを味わってもらいたい。
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