大垣山岳協会

桑谷山 2012.10.17

桑谷山

月報「わっぱ」 2012年11月(No.372)

【 週日山行 】 桑谷山 ( 924.9m Ⅲ△ ) 村田 正春

  • 日程:2012年10月17日(水)
  • 参加者:L.村田正、小倉繁、清水き、竹森せ、岩田嘉、高橋美、森範宏、大城幸、大原和、加藤冨、大杉す、在間琇、田尾智
  • 行程:大垣6:00=関ヶ原IC6:20=木之本IC=久多峠8:28~41-桑谷山東峰9:50-西峰(頂上)10:10~40-久多峠11:55~12:01=大垣15:43
  • 地理院地図 2.5万図:久多

 目指すのは京都北山山系の桑谷山。往古、山頂に経典が埋められたという説話があるので、別名、経塚山とも呼ばれる双耳峰の山だ。かつて、登山道はなかったが、1968年に関西電力の送電線が敷設され、その鉄塔巡視路を利用して一般登山者も登れるようになった。

 ひなびた山村風景の久多の集落を過ぎ、久多峠の南側にある巡視路入り口から登り出す。「曇りのち雨」の予報が当たらぬように願いつつ、最初からかなりの急登、しっかり汗をかく。801mのピークに甲99番の鉄塔があった。送電線から、ジリジリと不気味な大きな音がしていた。高圧電流が放電現象を起こしているのか。この送電線は地図をたどると敦賀半島の突端にある日本原電敦賀原発につながっていた。鉄塔下からの見晴らしはよく、北に経ヶ岳(889m)、東に蛇谷ヶ峰(901m)など比良山系北部の山々を望むことができた。

 そこから緩やかな下りのあと、登りに転じ、やがてロープが張られた岩場を抜けると快適な尾根道。沿道にはスギ、ヒノキにリョウブ、カエデ、ブナなどの広葉樹が混じり、なかなか変化に富んだ樹林だった。

 急坂を登り切ったピークはまだ頂上ではなく、双耳峰のうちの東峰であった。ここで南麓の大悲山口から上がってくるコースと合流。ここから西に向かうと鉄塔巡視路から離れるので、道の状態は悪くなり、やぶや倒木が現れる。

 なだらかな釣り尾根上の道を一旦下って登り返して三角点のある西峰に着いた。三角点の標石は上部の角が機械でカットされたように六角形になっていた。誰が何の目的で削ったのだろうか。頂上は樹林の中で展望ゼロ。まだ、早めの時間だが、雨が心配。急いで昼食を済ませ山頂を後にした。

西峰 三角点の標石

 下山途中、頬にこまかな雨粒が当たるのを感じた。泣き出すのをこらえていた空が我慢できなくなったらしい。どうやら、予報は当たったようだ。

 北山の紅葉にはまだ少し早かったが、一本のスギの木に巻き付いたツタウルシの葉の紅色が目に焼き付くほど印象的だった。久多峠に降り立ったとき、遠くから笛の音のような鹿の鳴き声が聞こえてきた。

<ルート図>

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